140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

ヴィオラ・ソナタ

2009-04-08 07:16:58 | 音楽
ショスタコーヴィチが残した室内楽曲は弦楽四重奏曲がほとんどで
後はヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、ヴィオラ・ソナタが1曲ずつ
それにピアノ五重奏曲と二つのピアノ三重奏曲、
24の前奏曲とフーガといったピアノ作品だ。
ヴィオラ・ソナタは作曲家が亡くなる4日前の1975年8月5日に完成された
ショスタコーヴィチ最後の作品である。

彼の作品は聴いていてヘコむ曲がが多いが、その中でも特に暗くて謎めいている。
そしてこの曲の最大の特徴は
第3楽章にベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」の旋律が引用されていることにある。
「月光」を奏でるヴィオラは、始めは泣いているように聴こえるが、
最後には落ち着きを取り戻して静かに曲を閉じる。

彼はこの曲に満足して世を去ったのだろうか?
そのあたりのことはよくわからない。
私にできることは彼の残した交響曲や室内楽曲を何度も聴くことだけだ。