原子力発電・原子爆弾

CO2を排出しない原子力発電が地球温暖化を防ぐクリーンなエネルギーということになっているが
これには抵抗のある人も多いと思う。
原子力発電は放射性廃棄物を生成してしまう。
それは最終的には地下に埋められ何千年ものあいだ危険な物質であり続ける。

放射性廃棄物を生成しない水素の核融合反応であればクリーンなエネルギーといえるが
あいにく水素の核融合反応を人間が制御するには至っていない。
制御できない場合の使い方としては水素爆弾がある。
こいつは一瞬の間に莫大なエネルギーを放出する。
そういう核弾頭がたくさんあるのが世界の現状だ。

制御できる原子力発電として実用化されているのはウランの核分裂反応を利用したものだ。
ウランの核分裂反応を引き起こす中性子の量を制御棒で制御する。
核分裂反応を制御せず連鎖的に反応を引き起こすようにしたものは原子爆弾と呼ばれる。
広島に投下されたものだ。
長崎に投下された原子爆弾はプルトニウムの核分裂を利用したものだ。
そうした「利用」により何十万人という人々が殺された。
ナチスによるユダヤ人の大量殺戮をホロコーストと呼ぶのに、
原子爆弾の投下は正当化されている。
物事の正しさは戦争に勝った方が決めることになっているからだ。

また話がそれてしまった。
ただ単に原子力発電はクリーンなエネルギーではないと書こうとしただけだったのに。

私は広島の原爆資料館には2回行ったことがある。長崎には1回だけ行ったことがある。
日本人で一度も行ったことがない人がいれば、行くべきだと思う。
教科書に書かれていることが正しいとか正しくないとかそんなことはどうでもいい。
ただ広島・長崎に対して、どのような愚行がなされたかは、認識しておくべきだろう。
本当は世界中の人々に見て欲しいと思っているが外国から来るのは大変だろうから。
日本人であればどんなに遠くに住んでいても見て欲しい。

原子爆弾を作った科学者が悪いとか、投下を決断した米国大統領が悪いとか
そんなレベルの低いことを言っているわけではない。
人間が人間に対して、このような行為をしたという事実を
しかもナチスという悪ではなくてアメリカという正義の国がした行為だということを
私たちは知らなければならないと言いたいだけだ。