昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   手術本番へ ③

2010年10月07日 | 日記
麻酔室の前でしばし佇み、手術の2時間のことを考える。長い長い2時間だ。手術後の時間は、イメージすることさえできない。病院の中の日常から懐かしい日常へ、するりと、エアカーテンを抜けるように戻って行けることを願うばかりだ。 病室に戻ると、親父のいないベッドに、親父の身体分の空白ができているような気がする。そこにすっぽりと収まるように、親父は戻ってくるのだろう。 午後12時半少し前。「昼飯、食べんと!」 . . . 本文を読む