昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   26.平穏の訪れ?!

2012年12月24日 | 日記
 平穏の訪れ?! 「小杉さん、どんな風に出てったんですか?行き先言いませんでした?」 「はっきり覚えてんのは、“あかん。このままじゃ、なんともならへん。どこで間違うたんやろう。行動せんとあかん。のんびりし過ぎや!”みたいなこと言うたことかなあ。私との生活のこと言うてるんや思うて、“私はええんやで。なんとかなるし。心配なことあったら言うて&rdquo . . . 本文を読む

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   25.夏美さんの新恋人??

2012年12月12日 | 日記
夏美さんの新恋人??! すぐにフライドポテトの皿を持った夏美さんの手がカーテンの陰から現れた。 「あ、夏美さん……」 「柿本君、紹介……」 僕が声を掛けると同時に彼女の顔が現れ、その横から見知らぬ顔が出てきた。 「先に紹介させて。これ、柳田君。ケンちゃんの代わりに来てくれることになったんよ」 目鼻立ちの爽やかな顔がほほ笑み、軽く会 . . . 本文を読む

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   24.“ディキシー”の異変

2012年12月06日 | 日記
“ディキシー”の異変 気になっていたのは、奈緒子が京都にやってきた時の過ごし方だった。何しろ、ほとんどの下宿がそうであるように、東山仁王門の僕の下宿は女人禁制。女の子が部屋にいるのが見つかると、引っ越しを余儀なくされる危険性さえある。昼の時間は京都案内に費やせばいいとしても、“Big Boy”でバイトをしている夕方5時から深夜までは、奈緒子を一人き . . . 本文を読む