昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

昭和少年漂流記:第五章“パワーストーン” ……25

2014年04月11日 | 日記
第25回 「高山さ~~ん。えらいことになってますよ」 めぐみと別れオフィスに戻ると、待ってましたとばかりに大賀が駆け寄ってきた。 「どうした?お気に召さなかったか?」 来秋冬のライフスタイル予測とファッショントレンドのプレゼンの結果のようだった。今回のプレゼンテーターは大賀。ボードの最終チェックを任せた流れにのまま、今回を試金石にして欲しいとの思惑があってのことだった。しかし、その思惑はい . . . 本文を読む

昭和少年漂流記:第五章“パワーストーン” ……24

2014年04月09日 | 日記
第24回 心ここに在らずに見える高山の表情に、めぐみはその視線の先を追う。高山の目は、めぐみの隣席のハンバーグに注がれているようだ。ナイフの先がハンバーグの上の半熟卵に入り、ゆっくりと黄身が流れ出ている。 「お腹空いてるの?何か食べる?」 高山の視線を遮るように顔を覗き込む。 「ううん。大丈夫」 高山は笑顔を返してくるが、目は笑っていない。 「さて、そろそろ行こうか?」と、つと立ち上が . . . 本文を読む

昭和少年漂流記:第五章“パワーストーン” ……23

2014年04月04日 | 日記
第23回 「私も人のこと言える状況じゃないけど、みんな安達ちゃんのこと気にするほど暇じゃないみたいよ」 高山の「安達ちゃんの件、みんなどう思ってるの?」という質問に答えると、めぐみは店内をぐるりと見回す。恵比寿駅構内の“ベッカーズ”は相変わらずの混雑ぶりだ。 高山が顧問契約をしているアクセサリー・メーカー“Beaute”を紹介してもらった帰りだ . . . 本文を読む

昭和少年漂流記:第五章“パワーストーン” ……22

2014年04月04日 | 日記
第22回 「私も人のこと言える状況じゃないけど、みんな安達ちゃんのこと気にするほど暇じゃないみたいよ」 高山の「安達ちゃんの件、みんなどう思ってるの?」という質問に答えると、めぐみは店内をぐるりと見回す。恵比寿駅構内の“ベッカーズ”は相変わらずの混雑ぶりだ。 高山が顧問契約をしているアクセサリー・メーカー“Beaute”を紹介してもらった帰りだ . . . 本文を読む