昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   手術本番へ ②

2010年10月06日 | 日記
一階の売店は、のどかだった。目的のバスタオル2枚を購入。入院のために親父の用意したものすべてが、目にしたことのあるもの。ラジオ、下着、シェーバーなどはいいとしても、バスタオルが使い古したもの2枚では、心許ない。日常を持ち歩きたい、という気持ちもわからなくはないが……。 バスタオルを抱えて、そっと病室に戻る。親父は眼を閉じたままだ。眠ってはいないような気もするが、声はかけずにソファに。文庫本を開き、 . . . 本文を読む