第一章:親父への旅 手術本番へ ① 2010年10月05日 | 日記 病室に戻ると、生活の匂いとざわめきが満ちている。家族の訪問を受けている人が一人。僕を迎え入れてくれた一人は退院準備をしているようだ。 会釈をして、親父のベッドへ。親父は、いつものようにベッドに端座する。首を垂れたまま動きを止める。椅子を引き寄せ、覗き込む。その横顔は暗く、険しい。 「明快だったね、説明。…安心だねえ」と、探りを入れるように話しかける。 「な!自信たっぷりじゃろ」 「うん。手術も難し . . . 本文を読む