昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   最愛の人との再会 ①

2010年10月23日 | 日記
一か月後。初夏の日差しが爽やかな日曜日。僕は益田市の外れにある料亭の玄関の軒先で、親父と二人並んでタバコを吸っていた。 約束の時間を過ぎること20分。親父のお見合い相手の人は、まだやってこない。 「おかしいなあ」と連発しながら、親父は時々僕の顔を窺う。三人でお昼ごはんでも、というのは、親父のセッティングらしかった。 「まあ、時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり待とうよ」「そりゃあええんじゃが . . . 本文を読む