昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第一章:親父への旅   親父の元へ、再び。 ⑤

2010年10月04日 | 日記
ここにいる老人たちのほとんどが、遠く離れて暮らす息子や娘を持っているに違いない。そしてひょっとすると、中には、自らが病に倒れることと引き換えに、息子や娘との暮らしを再び手に入れた人がいるのかもしれない。 もう一本のタバコに火を点ける。僕の出現をきっかけに、老人たちそれぞれの子供の話で、休憩所はにわかにざわめく。 と、突然60代半ばと思しき女性の顔が僕の前に出現。くるりと親父の方を向くと、「息子さん . . . 本文を読む