とっちゃんの宵山 ⑮ 2016年11月01日 | 日記 翌日、晴れ上がった空には夏の太陽があった。朝刊を配り終わり、玄関脇の水道で洗ったTシャツを絞っていると、とっちゃんの顔が突然目の前に現れた。 「グリグリ、なんか悩んでへんかあ?」 「え?なんで?」 「顔に書いてあんで~~」 「別に、悩みないけど」 「ほんま?なら、ええけど」 薄ら笑いの顔が販売所の中に引っ込む。僕は濡れたTシャツを肩から掛け、ゆっくりと後を追うように中へ入って行く。 . . . 本文を読む