俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月28日(金)

2011-10-28 09:26:41 | Weblog
★朝はまだ木犀の香のつめたかり  正子
一瞬「木犀の香が冷たい」に戸惑いました。散策の道にをちこちに咲かせている木犀ですが、朝窓を開けた時、冷たい空気にのって木犀の優しい香りが漂って参ります。朝の冷たい空気と木犀の香、清々しい秋を感じます。(佃 康水)

○今日の俳句
浜風に確と結びし新松子/佃 康水
浜辺の松の枝にしっかりと青い松毬(まつかさ)がついた。古い松毬と違って充実している。それを「確と」が言い当てている。浜辺の青松毬のすがすがしさがよい。

○茶の花
茶の花は、この季節好きな花のひとつ。生家には、道から一段高くなったところに菜園があり、柿の木がありました。その西側にお茶の垣根があって、ちょうど柿が熟れるころ、お茶の花が咲き始めました。お茶の木には、まだお茶の実が残っていて、その独特な形は面白いものです。祖母の話では、戦前までは、家でお茶を作って飲んでいたようです。お茶を作らなくなっても垣根だけは残っていました。白い絹のようなお茶の花とその実には、子どものときから、いい感じで受け止めていましたから、生来好きな花なのでしょう。鉄瓶の蓋の持ち手にお茶の実を模したものがついていたのを覚えていて、いいデザインだと、小学生のときから感心したりしていましたので、多少は骨董眼があったのかもしれないと思うのです。お茶の花の白は、絹のような白で品がありますから、寒くなり始めたころにふさわしい白だと思っています。

◇生活する花たち「茶の花・溝蕎麦・千両」(横浜下田町・松の川緑道)

コメント (1)
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