俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月27日(木)

2011-10-27 09:26:03 | Weblog
  コッツワルズ
★教会の秋ばら色も白がちに  正子
イギリスの国教会は日本でいう聖公会の教会にあたるのでしょうか。リバブ-ル大聖堂のような大きな教会のほかにも、コッツワルズ地方など、カントリ-サイドの小さな町にも風土や暮らしにそった、その町の教会が多く点在するのでしょう。正子先生の紀行文と合わせ、この御句を読ませて頂くとき、花期が長いという花々に囲まれた芳しい教会の庭に咲く秋ばらのようすが、ひかえ目にけれども、ゆるぎない存在感をもってしっとりと伝わってくるようです。(小川和子)

○今日の俳句
うろこ雲球根あまた植えし目に/小川和子
「球根植う」は、歳時記では春の季語。ダリヤやグラジオラスなど夏咲く花の球根を指すが、最近は、秋植えのチューリップなどの球根になじみが深い。この句では、「うろこ雲」が主題。球根を植えた秋の日のうららかさが気持ちよい。

○野菊
野菊は、野に咲く菊を総じて大まかに言うらしい。最近、野菊の存在を忘れそうになった。野菊について書こうと思い出したのは、イングランドの高速道路わきに、たくさん薄紫の野菊が咲いていたからだ。四国に住んでいたころは、嫁菜が多かった。野紺菊と比べ花弁が欠けたような咲き方をした。野紺菊のほうが、美しい。園芸種の紺菊が栽培されて、ごくごく淡い薄紫の野菊は、最近はまれにしか見ていない。「野菊」と聞けば伊藤左千男の「野菊の墓」を思い出す方もおられようが、今も読まれているのかどうか。そして、次に思い出されるのが、文部省唱歌の「野菊」。すっかり忘れていたが、これもイングランド旅行で記憶が蘇った。

○松の川緑道
午後、横浜港北区下田町の松の川緑道を信之先生と歩いた。目的は「俳句日記」に載せる写真を撮るため。松の川緑道へは、日吉駅まで電車で行き、そこから緑道の端から端までのほとんどを歩いた。緑道の終わり近くから山越えをして自宅の日吉本町へ戻った。途中、慶大のグランド横を通り抜けた。サッカーのグランドではサッカーの練習を、野球のグランドでは野球の練習をしていた。すこしの間ネット越しに見ていたら、学生が「こんにちは。」と挨拶をしてくれた。こちらも挨拶を返した。息子の元も、娘の句美子も慶応に通ったので、このグランドにも親近感が湧く。写真には、野菊、水引、赤のままなどを主に撮った。

◇生活する花たち「椿・菊・野菊」(横浜下田町・松の川緑道)

コメント (1)
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