俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月26日(水)

2011-10-26 09:25:28 | Weblog
★炊きあげし飯盒をすぐ露の土へ  正子
広々とした高原が浮かびます。ゆたかな草原で飯盒炊爨、炊きあがった飯盒をまず置くのは、露を宿した土の上。ジュッと消える音も聞こえるようです。風のない晴れた夕べ、露を帯びた原っぱで炊くご飯はどんなに美味しいことでしょう。 (川名ますみ)

○今日の俳句
水のいろ火のいろ街に秋燈/川名ますみ
街に灯る秋の燈を見ていますと、水のいろをした燈、火のいろをした燈があります。それが、大発見のように新鮮です。青い燈、赤い燈が入り混じる街の燈を見つめれば、どこかさびしさも湧いてきます。

○秋海棠
秋海棠がどこに咲いていたかと思い起こしてみると、一番身近では、わが家の玄関脇。秋がくると水引草と同じところに咲いた。茎にも花にも水分が多そうな感じで、葉が意外と大きく育つ。これを活けようとすると、大きな葉はのぞいて挿さなければどうも様にならないし、そんな葉は結構傷んでいる。かわいい花なので主が好むところとなっていた。次に思い出すのが、瀬戸内海の伊予灘を見下ろすお寺の小じんまりした庭にあった秋海棠。秋のきらきら光る海と秋海棠とはよく似合うではないか。そしてずっと昔を思い出すと、高校時代の生物教室の前。この茎をナイフで薄く切って、細胞を見るためにプレパラートに載せたように記憶するが、違う植物だったかもしれない。なにしろ、50年近く前のことだから。ベゴニアに似ているといつも思うが、ベゴニアに比べると、風情というものを備えている。

◇生活する花たち「野菊・溝蕎麦・チカラシバ」(横浜下田町・松の川緑道)
横浜日吉本町)

コメント (1)
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