俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月20日(木)

2011-10-20 16:22:01 | Weblog
★しいの実の青くていまだ石の間に  正子
山を歩いていると、しいの実をはじめ、団栗といわれる実がまだ青いままに落ちているのを見ることがあります。葉もいっしょに小枝ごと落ちていることもあり、不思議な思いがします。その「あれ?」という軽い驚きをすくいとって詠まれています。 (多田有花)

○今日の俳句
眠らんとすれば窓辺に降る月光/多田有花
眠ろうと明かりを消せば、窓辺に明るく月光が降り注いでいることに気がつく。この月光に包まれて眠れるのも幸せなことであろう。(高橋正子)

○野菊
野菊は、野に咲く菊を総じて大まかに言うらしい。最近、野菊の存在を忘れそうになった。野菊について書こうと思い出したのは、イングランドの高速道路わきに、たくさん薄紫の野菊が咲いていたからだ。四国に住んでいたころは、嫁菜が多かった。野紺菊と比べ花弁が欠けたような咲き方をした。野紺菊のほうが、美しい。園芸種の紺菊が栽培されて、ごくごく淡い薄紫の野菊は、最近はまれにしか見ていない。「野菊」と聞けば伊藤左千男の「野菊の墓」を思い出す方もおられようが、今も読まれているのかどうか。そして、次に思い出されるのが、文部省唱歌の「野菊」。すっかり忘れていたが、これもイングランド旅行で記憶が蘇った。

◇生活する花たち「野菊」(横浜下田町・松の川緑道)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする