
2週間振りに、沖に出てみた。
少しウネリが残っていたが、海自体は凪になっていた。
しかし、海の中は、様子が一変していた。
出港前、準備をしながら不安な要素が有る事が、気になっていた。
台風が連続した事で、ベイトや潮の流れ等々について、情報が不足していた。
何処から攻めたらいいか、悩んでいた。
気持ちとしては、時化前のブリがヒットしていたポイントに、ベイトが残っているかどうか…。
ここから確認する事から、始める事にした。
右田さん、矢越さんを乗せて、ポイントに向かう。
最初に入った、時化前まではブリがヒットしていたポイント。
船を止めたときに、ベイト反応が出てきた。
「よっしゃ、居る」
嬉しい気持ちで、お二人に竿出しを勧める。
ジグを落とすと、潮は沖に払い出す下り潮。
北西の風に、押されながら0.6ノットとゆっくりと沖に出ていく。
最初のベイト反応が過ぎると、次のベイト反応が出てこない。
無反応のまま、二度目の流しに入る。
ベイト反応も出なくなってしまった。
二流しで、ポイントを移動する。

次のポイントで、矢越さんにアタリが来る。

指2本くらいの小型のタチウオやカサゴが、ヒットしてくる。
近くにいる知り合いの漁師さんも「小さいタチが来た」と、言っていた。
沖に沖にとポイントを移動していくが、沖に行くほど潮の濁りが増していく。
ペイと反応を見つけては、ジグを落とすがジグに触る気配も無い。
「ロックフィッシュに行きませか」
矢越さんからの提案で、ポイントを浅場に移動する。
ワームを付けて、仕掛けを入れる。
アタリが、ポツポツと来る。
「ワームが取られた」
「瀬掛かりは、ロックフィッシュではお友達」
賑やかに、攻めていく。


右田さんに、アカハタがヒットしてきた。
初ロックフィッシュを、1時間ほどで終える。
干潮の潮止まり前の、下げ七分の潮の動きを狙って、ポイントを移動する。
「少し走りますね」
沖合を少し走って、海底の起伏のあるポイントに入る。
鯛ラバで、ハタ狙いに的を絞る。
一流し目は、変化なしの状況。
二流しに入ると、ベイト反応が出てきた。

右田さんにアタリが来た。

良型のオオモンハタが、上がってきた。
「今日の不調の中のハタは嬉しいですね」
右田さんの、ホッとした笑顔が輝く。

矢越さんにも、強いアタリが来た。

矢越さんにも、良型のオオモンハタが上がってきた。
「良かった。今日の最後が良ければ全て良し」と、矢越さんの笑顔も嬉しい。
ロックフィッシュをやっていた頃から吹いていた南東の風が、この時間になると強くなってきた。
徐々に強くなってくる気配がある。
「帰りましょうか」
2週間振りの釣りを終えた。