回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

木曾宿場町を辿る その1

2009-08-14 23:11:20 | 一泊以上の旅行記

8月11日 東京~岡谷JC~伊那~千畳敷きカール~奈良井宿

昨夜来の台風を迎え撃つ状況で朝8時頃に出発。

首都高は土砂降り。ハンドルを握るろくさんも緊張の面持ちであったが台風のおかげか中央高速はガラガラでスムーズに走る。

山梨県に入り、大月を越え長い笹子トンネルをくぐり抜けると、見事な青空が広がる。

まさに「トンネルを抜けるとそこは青空であった」のである~。

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天候次第では岡谷から国道19号(中山道中の木曾街道側)を下り、すぐに奈良井宿に向かう予定だったが予想外の好天で中央自動車道のまま伊那方面から駒ヶ根の「千畳敷きカール」へ計画変更。

中央アルプス(木曽山脈)の最高峰である木曾駒ケ岳に並ぶ宝剣岳の直下にあるカール(圏谷)に広がるのがこの「千畳敷きカール」。一度来てみたかった場所である。

マイカー乗り入れはできないので駒ヶ根菅の台バスセンターでバスに乗り換え、さらにバスをしらび平で降りロープウエイで「千畳敷き」(2612メートル)へ。

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ここは気温15度の世界、陽が少しでも陰ると冷たい空気が通り過ぎる。それもそのはず、つい10日前までは雪が残っていたとのこと。

広大な斜面を彩る高山植物群が、短い夏を謳歌するように咲いている。その花花に群がるアブの大群にはまいったが彼らも生きるために必死のようす、人の顔に、腕に、カメラレンズにおびただしく群がってくる。

アブを追い払うわたし↓

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↑「コイワカガミ」

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↑「ハクサンイチゲ」

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↑「クロユリ」 黒というよりは濃い紫と黒が混じったような複雑な色合い。ひそやかで気品に満ちている。これがみられるとはラッキー!

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2時間ほどトレッキングを楽しみ、ここから駒ヶ根に下り、4時頃バスセンターをあとに奈良井宿に向かう。

中央アルプスの東の道が伊那道、西側の道が木曾道(中山道)であり、この両方の道を結ぶ山道に権兵衛峠があり、これを越えると容易に東西を往来できるのだが、むかしは言うまでもなくこの峠は厳しすぎたにちがいない。現在は権兵衛トンネルというトンネルが作られ車でいとも簡単に木曾山中を通り抜けられる。

トンネルを抜けてこれまた中山道の木曾山中難所であった鳥居峠のトンネルを抜けると宿場のひとつ藪原があり、少し北上して6時少し前、今日の宿である奈良井に着く。

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奈良井は南北約1キロに及ぶ長い宿場町。JR中央本線の「奈良井駅」からすぐ。(当然だが江戸時代は宿場が「駅」とも呼ばれていたので鉄道も当時の駅と同じ名前がついている)

ここは木曾宿場では北に位置しているので雪が多く、大きな通りに面して軒の長い屋根の作りが特徴。

予約しておいた民宿「しまだ」に入る。トイレもバスも共同、夜半は冷えるのでクーラーもない2階の格子窓のある小さい部屋に荷物を放り込んでさっそく街を歩く。

夕暮れの宿場町は観光客もほとんど歩いていない。

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ここで実際に暮らす人々の日常の生活があり、それはわたしが子供の頃にどこにでもあったような街の情景でもある。

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この日は偶然にも奈良井の鎮守様である「鎮神社」(しずめじんじゃ)の祭りの宵宮にあたり、夕食を終えて外に出てみると子どもたちが神輿のあとに手に手にちょうちんを持って上町に向かって歩いている。道の両側には大きな祭りちょうちんが提げられ、暗い山の中の宿場町は幽玄ともいえる美しさを醸し出していた。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やまびこさん、おかえりなさい。 (ヒポポ)
2009-08-15 00:03:13
オフ会欠席のところに木曽街道旅行とあったので、きっと日記にアップするのだろうなと楽しみにしていました。

千畳敷カールは私も一度行ってみたいと思っているところです。
写真をみて、ぜひ、行くぞ!と思いました。

権兵衛峠は10数年前に木曽に行った時は、まだトンネルがなくて、車で峠越えをしましたが、トンネルができたのですよね。

鳥居峠は奈良井の鎮神社の先から山越えをしましたよ[E:run]
鎮神社のお祭りだったのですね。

私はフォトアルバムをアップしただけで、日記は書けずじまい。
やまびこさんの日記で、振り返ることにします[E:smile]
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木曽路はいいですね。 (断腸亭髭爺)
2009-08-15 04:27:45
権兵衛峠、越えてみたいです。
坂が大変そうですが、自転車にとっては、トンネルのが恐いんです。

千畳敷きの写真、素晴らしい!
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ク~ロユリ~は~恋の花~。恋する人に・・・。な... (しゃあ あずなぶる)
2009-08-15 07:20:23
お帰りなさいまし。
ひそやかで気品に満ちて・・・。そうか、やまびこさんはクロユリの化身でしたか。

ロープウエイ大好きの、しゃあでした。
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びこさんのあまりの美しさに、アブも花と見まごう... ()
2009-08-15 12:29:41
夕暮れ時の宿場町、ぽわんとともる提灯の明り、なんともいえぬ風情・・・
現在の写真なのに、何だかずっとむかーしの写真のような懐かしさを感じます。
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クロユリは北岳の登山道で一輪ぽつんと咲いていた... (びん)
2009-08-15 16:21:17
もう20年ほど前の話ですが。
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ヒポちゃん (やまびこ)
2009-08-15 23:49:35
ほんと、久し振りに会えるチャンスだったのに残念!

権兵衛トンネルは新しいだけにとっても綺麗?でしたよ。
同じ民宿に泊まっていたグループが鎮神社を抜けて鳥居峠に向かって歩いて行きました。
時間があったらわたしもいつかヒポちゃんみたいに東海道を歩いたりしたいものです。
中山道も木曾街道以外の道も興味があります。
実は、木曾宿場はあまりに観光地化されていると以前から聞いていたのでちょっと心配でしたが、やはり歴史がそれなりに感じられるところという気がしてよかったです。
どこでもなんでも経験しないことにはわからないよね[E:scissors]

断腸さん

山中のドライブはトンネルの連続。車で走っても長いトンネルはちょっと怖いですよ。
出たら時限が変わっちゃうのではないか、みたいな感覚があって・。
自転車に乗る人々もずいぶん見かけました。それも若い人より年配の方が多かったのにはびっくり~@@

千畳敷きカール、お天気のおかげです[E:sun]

しゃあさん

>ク~ロユリ~は~恋の花~

この歌、ろくさんがクロユリを見たとたん歌ってたよ(^0^)

わたしは色は黒いから、まあそのあたりは似てるかもだけどね!
このロープウエイの斜度はすごいよ~、7分間で約1キロメートル上がっちゃう[E:up]



なんだかしゃあさんチックなお褒めの言葉
ありがとう(^^;)

ムシの苦手な人はきゃあきゃあ言ってたよ。でもここのアブは姫アブといって人を刺さないから大丈夫。

夜の宿場町はほんとに幻想的でした。
時間がストップしたみたいだったよ[E:sandclock]

びんちゃん

山でこういう花に出会うと愛おしさでいっぱいになるね。
北岳というと甲斐駒ケ岳のそばかな?

そうそう!!帰宅したらヘブンリーブルーの小さい小さい(まだ2ミリくらい)蕾がついてたよ~[E:bud]

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