いわゆる東京のど真ん中、皇居のお濠に面して位置する日比谷公園は、わが国最初の洋式庭園として知られています。
明治36年(1903年)に開園するやいなや、花壇に植えられた西洋の花々、西洋音楽の演奏会、レストランが提供する西洋料理が、人々の人気となり、東京の新名所として人気を博したということ。
しかし、今日、公園を訪れてみると、意外にも「和の風情」に満たされていることに気づくはず。
雲形池の「鶴の噴水」は、洋式庭園・日比谷公園のシンボル的存在ですが、
周囲の景観とともに眺めると、この一画からさえも、和の雰囲気が漂ってきます。
また、園の西側にある心字池のほとりは、江戸城の石垣が取り込まれているため、
ここが日比谷公園の一画とは信じがたい雰囲気が醸し出されています。
このように、日比谷公園は、大都会の中心にありながら、
園路を進めば、深い緑に包まれます。
そして、100年の歴史を物語るかのように、巨木も随所に聳えています。
中でも有名なのが、以前「巨木」の項目でもご紹介した「首かけイチョウ」。レストラン「松本楼」の隣に聳える大イチョウです。
明治34年、公園外にあったこのイチョウが、道路の拡張で伐採されることになった時、日比谷公園の設計者・本多静六氏が移植を提案。困難とされた移植を、「私の首をかけよう」といって成功させたというエピソードが伝わっています。
日比谷公園は、その100年の歴史を反映し、歴史的記念物の宝庫でもあります。
上の写真は「自由の鐘」。アメリカ独立宣言の記念物の複製だそうです。
下の写真は「北極航路開設碑」。スカンジナビア航空から贈られたもので、石碑に刻まれているのは「古代北欧文字(ルーン文字)」とか。
下の写真の右端は、ローマから寄贈された像で、ローマ帝国を建国した兄弟を助けたという狼の伝説に基づいたもの。
こうした歴史的記念物の多くは、国際交流の記念として贈られたものです。
その他、ここでは割愛しますが、江戸から明治にかけての東京の歴史を物語る記念物や、あるいは名木を含む多種多様な植物の宝庫でもあり、どこに目を向けても、見どころ満載の日比谷公園です。
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