20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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昨日は夏至

2021年06月22日 | Weblog
            

            

昨日は夏至でした。
夏の真ん中。
梅雨、真っ盛りの季節です。

それにしても、昨日は梅雨の晴れ間が広がっていましたが、近頃は、昔のような風流さのかけらもありません。

上はモノクロームの写真ではなく、今にも大雨が落ちてきそうな写真。
下は、束の間の梅雨晴れ。
いずれも、仕事部屋から見た光景です。

「梅雨晴れの 夕茜して すぐ消えし」 高浜虚子

かつての梅雨をうたった俳句です。どこか、長閑さがあります。

「梅雨の傘 たためば水の 抜け落つる」 長谷川櫂

傘の雨の滴が、抜け落ちるほどの勢いです。

ここ数年、梅雨末期になると、大洪水、大豪雨が起きています。
今年こそ、粛々と、梅雨前線には去ってもらい、静かな夏を迎えたいです。

そうでなくても、腹立たしいことばかりの、昨今。
国民のそうした不安や、憤りを、一体どこにぶつけたらいいのでしょう。

どんなことがあっても、五輪はやり続ける・・・。観戦客も1万人、関係者も1万人、合わせて2万人入れる。
それが全国、40箇所以上の会場です。
そのことは、何も言いません。ただ1万人と。
併せて、全国で40万人くらいの観客数、プラス関係者と、メディアです。

昨晩、NHKニュースで東京都の尾崎医師会会長が、話していました。
「ちゃんと、そうしたことを伝えるべきだ。あたかも、1万人だけの観客と、国民は、誤解するだろう」と。

それに対し、飲食は夜7時までで、90分。人流も抑える。
よく、暴動が起きないと思います。
私などニュースを見ているだけで、お酒も飲めないのに、夕方から嬉しそうにビールを飲んでいるおじさま方の姿が写ると、その日本人の生真面目さに切なくなり、
「飲んじゃえ、飲んじゃえ。7時までなんて関係なく。国だって、平気で論理破綻していることに正当性(安心・安全)をつけて、誤魔化して、オリンピックをやるんだし。国民にだけ犠牲をしいて。だから楽しめ、楽しめ!」と、ついテレビに向かって言ってしまいました。

「本当にアグレッシブな人だね」と、夫が、そんな私を見て呆れ顔。

ところが、今朝の「朝日新聞」、大好きな藤原新也の「風景を人を変えてしまう五輪」というエッセイを読んで、すっかり溜飲を下げました。
『東京漂流』『印度漂流』『西蔵漂流』などなど、人間を深く見続け、掘り下げる、彼の視点に80年代すっかり、傾倒していました。
ぜひ、お読みください。今回の東京五輪のことでは、日本人のアイデンティティまで問いかけています。

五輪が始まれば、日本人は五輪に夢中になる。そしたら今回、分科会の提言まで無視して国がやったとことなど、全部忘れる。
日本人は、これまでもずっと、そうでしたから。もういい加減「個の自立」を確立しましょうよ。
そういう危惧を持っていたので、人間としての根底を問いかけられ、本当に溜飲を下げました。
コメント
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