『本とはたらく』(矢萩多聞、河出書房新社)
この本は矢萩さんの『偶然の装丁家』(晶文社)に加筆、修正を行なったもので、最後の章だけ、書き下ろしです。
私は図書館巡りが趣味の一つで、その日も電車に乗って小一時間かかる図書館へ一人で出かけました。
小春日和の気持ちの良い日、降り立った電車の駅は閑散としていました。
平日とはいえ、目指す図書館への道もほとんど人がいませんでした。
で、たどり着いた図書館の棚で出会ったのが『偶然の装丁家』だったのです。
なんとなく読み始めて、すぐにそのまま面白さに引き込まれて、とうとう最後まで読んでしまいました。
こんな経験、後にも先にも初めてです。
読み終わった時の風景。
差し込む図書館の窓からの日差し加減、「カァ、カァ」とカラスが鳴いていたような。
その中で、素晴らしい本に出会ったという気持ちをどっぷり感じました。
そんな思い出の本がまたこうして新たな本として、目の前にあらわれたのですよ。💛🐤