『本を贈る』(三輪舎)を読みました。
本を作り届ける10人の書き手による10編のエッセイ。
編集者、装丁家、校正者から書店員、本屋さん、批評家など、それぞれの立場から、本への想いがほとばしる。
しみじみ心に響く一冊でした。
特に私は装丁家の矢萩多聞さんの言葉が響きました。
「女神はあなたを見ている」
かつて彼の自叙伝に心を掴まれた事があり、今回もそうでした。
それにしても、先日のブックディレクター・幅さんの講演会でも強烈に感じましたが、
本はいろんな人たちの手を通して誕生して、
本そのものにその本を手がけた人たちの熱意がこもっていて、
その熱意の結晶が読む人の心に響くのだと思います。
まさに見えぬものでもあるんだよ、の世界です。
ただ本を手に取ってもらわなければ、その本のページをめくってもらわなければ、その熱意はなかなか伝わりません。
本が面白くて、素晴らしいものだから、みんなと共有したい。
本を手渡したい。
私はいろんな方法で、これからもずっと、誰かに、その人にぴったりの本を手渡し続けたいと改めて思いました。