昨日の台風進路予想では我が街はド真ん中に位置しており、多少ズレテも影響が出ると思っていた。夜半から未明にかけて場合によっては上陸かとも言われ珍しく雨戸も閉めて寝た。部屋が真っ暗になり朝が来たのが分からなかったが雨戸を叩く風も雨の音もしない。庭のトマトも副木に縛り付け飛びそうなものも片づけてしたのに台風は銚子抜けである。既に銚子の沖から東北に向けて進もうとしている。これから東北沿海部は大変だろうが関東は予報が外れてちょっと安堵である。
美しい山や川はなく土砂崩れも洪水にも無縁の地であるが選んで住み着いたわけではない。勤め先が近かったからである。あたりは平野の中に木が生い茂った小高い丘のようなところが点在し多分大昔は小動物も多く、狩りや農耕にもきっと適していたのだろう。勤務先のある内陸型の工業団地は一部まだ整備中であり、遺跡が出たという噂を聞き見に行った。歩いて10分も掛らない所で発掘作業が行われていた。深さ3mほどの穴の垂直壁の途中に綺麗に四角の形をした黒い部分がある。聞けば弥生時代の竈の炭の跡だという。やはりそんな時代からここらには人が住んでおり、極端な天変地異は無かったのだろうと意味も無く安堵した。因みに遺跡が見つかったところは埋め戻され古墳公園になっている。
遺跡と言えば今奈良判定で有名な奈良にも住んだことがある。こちらはディベロッパーから聞いた話だが工事は何も出て来ないことを祈るばかりであるという。何処を掘っても何がしかの遺跡が出て来て工事は中断するぢ、場合によっては中止になる。ライバル会社の工事を遅らせようと思えば素焼きの植木鉢の破片でも投げ込めば一発であると。その奈良も今では宅地開発が進み、道路も整備されて大変な変わりようである。遺跡の保存が甘くなったのか、多少のことは気にしなくなったのかは知らない。
大方の人は住みたい所に住んではいない。自然災害のリスクがあっても職場に近いとか経済的理由で住む場所を決めてしまう。特に自然災害では被災者は諦めに近いコメントをすることが多い。そんな危ない場所なら住む事を禁止するか最大限の防災措置を行政は施すべきと言ったクレームはあまり聞かない。先進国だとか成熟した文明国であってもそうなのである。隕石の落下は文句の言いようがないが火山の噴火とか活断層による地震とか大津波などはリスクの予見は可能であろう。洪水などは容易に予見できるのではと思う。政治も行政も今後は不作為が厳しく問われる時代になる。特に初老の団塊世代が暇にあかせて文句を言う可能性があるからだ。
お天気任せの製品を作りながら天気にまでクレームをつけるかも知れない在宅初老のこの頃である。