ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

臨時: 国立競技場の白紙撤回・ゼロベースから・・・について

2015-07-20 22:44:29 | 日記
2015年7月20日、今日も非常に気になることがあるので、EU話題ではなくてそれについて綴りたいと思います。それは例の国立競技場建設費用2520億円に絡む件です。

報道によると、工期・日程上間に合わなくなることや国際コンテストを経てあのデザインが決められたこともあり、国際信用上も変更・見直し等は非常に困難であるとの政府関係者の答弁でした。

にも関わらず、安保法制の強行採決の直後になって、突然、手のひらを返してゼロベースにして再検討するとの安倍首相の談話でした。

安倍首相の判断について、非常に不可思議で理解に苦しむことがいくつかあります。

一つは、ゼロベースにして再検討することは当然の判断だと思うのですが、2520億円という費用について国民の理解が得られていないとか、批判が多く出ている等の理由によって再検討する・・・との話です。これは、明らかに首相の器ではないと断言します。何故なら、国民が疑問に思う以前に、皆から言われたからではなく、政府当事者の一人として、この金額は異常ではないかと判断できていないからです。

いかにも、国民の意見を聞き入れて再検討することに致しましたと、賢明な判断をしたかのような印象を与えようとしているようですが、私の客観的な見方では、この人は物事を冷静に、国民目線で、自分で思考する能力に欠けると言うことです。

二つ目は、本件に関して国民の意見を鑑みて再検討することにしたのであれば、スポーツの祭典マターよりも、国民や世界・近隣諸国の現在・未来の多くの生命・財産の運命を左右するほどの最重要課題であり、国民の多くが反対の意志を示している「安保法制」に関する法案を白紙撤回すると判断すべきです。

一方では国民の多くの反対意見を無視して強行採決し、他方は、あたかも皆さんの意見を聞き入れましたよ・・・として取り繕っている姿は、一貫性がなくブレブレの姿が哀れにしか見えません。

結局、安倍と言う人物はご都合主義で判断しているだけで、誰から見てもほぼ妥当であろうと言う判断を、自ら思料(考える)することはできないレベルなのだと言うことです。

誤解を与えると困るので断っておきますが、人の意見を聞くなと言っているわけではありません。そうではなくて、様々な事情等も考慮した上で、ほぼ妥当でケチのつけられることが殆どないような判断(いわば絶対的尺度のような)ができなければなりません。そうであれば、国立競技場の再検討も、安保法案撤回についても、ブレなく妥当に判断できているはずです(早期段階で)。

100%完璧な人間はいないのではないかとも思っていますが、一国の首相でありリーダーでなければならない人物は、それに近いものでなければなりません(ブレーンが支えるのも手)。逆に、安倍氏の場合は、真の意味での客観的・妥当な判断をするのではなく、ただ単に自分の都合に重きを置いているだけのようです。このような人物はもはや政界から去るべきで、この人を担ぎ上げている連中も同様です。・・・総辞職あるのみ!


ところで、国立競技場に関する進め方全般に関しては、一体、どこが総まとめや総責任を持って進めているのか、これまでの報道からは伝わって来ません。オリンピンク東京誘致が決る以前から進められていたようですが、「国立」である以上、所轄官庁である文部科学省がそれであるべきでしょう。立地としての東京都当局や関連諸団体が参画・協力して行く体制が妥当なのでしょうね。

であれば、デザインは国際コンテストで条件設定した上で審議・決定して終わり・・・ではなく、同時に見積もりや具体設計などの次へのステップに継続した流れの中で進められていくべきです。それが、ブツギリ(?)かのように見えるのであれば、やはり文科省の責任が大であると言わざるを得ません。

さらに、森元首相曰く、こうしたレベルの競技場には3~4千億円ぐらいだしてもよいのではないか・・・だそうですが、こうした人達の金銭感覚は明らかに狂っているようです。社会で困っていて資金を必要とするところ、弱者への救済措置、箱物行政(一時的に関係業者だけが潤う)ではなくて投じることで経済サイクル(お金が回転する)を作り出せるところ、再生可能エネルギーの比率を高めるための技術開発や産業振興を図ること、また、食糧自給率を高めるための農業面のてこ入れをすること・・・・等々、有効な使い道を模索すべきでしょう。(まさか、我田引水ではないでしょうね・・・そうかも)

まだあります。ここ数日は報道に現れていないようですが、NHKの新庁舎に3千億円(以上?)も予定しているとニュースが流れていました。事実とすれば、これも国立競技場同様に、空前絶後の数字ではありませんか? 政治を司っている人達の金銭感覚を疑います。

ましてや、NHKは昔も今も、時に批判を浴びることが多い報道機関です。本当に「公共放送」の公器としての中立性や公共性を保持しているのでしょうか。安倍寄りと思われる人物を会長に就任させたり、かつての委員の中には沖縄の歴史事実を無視するかのような暴言を吐く人物がいたり、そして、時の政権に不都合なニュース(例: 沖縄での首相帰れ発言など)を流さないとか、強行採決になる筈の特別委の国会中継をしないとか・・・。一体、どっちを見て仕事をしているのか!

また、受信料を見ていない人からも徴収(法律に基づき)しようとすることも無理な点があるように思います。また、取り立て(?)る人達の高飛車で高圧的態度(私も経験あり)にはあきれ返るものがあります。・・・いっそ、公器と言うならば、税金でやればいい。その代わり、徹底的な中立性を保たなければならない。

または、中立性を法律で担保した上で、民営化すればいい。そうすれば、一部(?)の職員に染み付いた高威圧的な態度もなくなるのではないでしょうか。即刻、クビ! です。

いずれにしても、国立競技場やNHK新庁舎等の件に限らず、国民目線でものごとを判断していただきたいものです。

それにしても、今回の一連の騒動(?)を通して、自民党や公明党の関係者は、国民のためと言うよりも、我欲・私利私欲を満たさんがための判断基準で思考していることがよくわかりました。だから、お金が回る・経済活動政党活動が維持できる・自分の会社団体が儲かるのであれば、周囲に迷惑をかけても関係ない、原発も再稼動する、原発も輸出する・・・・全く、人間にあるまじき思考回路の持ち主のようです。人間的に稚拙であって、ものごとのやっていいこと・悪いことの基本的な判断すらできないレベルのようです。それらを議員に推挙・擁立している支持者たちも全く同罪と言えるでしょう。

まあ、ここ何年間は類似の思いが続いていましたが、正に、頂点に達しようとしているのではないかと感じています。安倍政権発足以来のことですが、日本の政治歴史上でも汚点になってしまっているのではありませんか。

世の中には、実に身勝手で・自己中心的で・我欲私利私欲の塊で、不都合なことには聞く耳持たず、場合によっては見え見えのウソを平気でつく・・・あ~!! 実に情けない! 人間失格! 長くこの不名誉な失態が語り継がれ・記録に名前も残ることを考えると哀れでなりません。

正しいか・正しくないかの判断は難しい場合もあるでしょう。しかし、何れが好ましいか・好ましくないかは判断がつくものです、普通の「人」ならば・・・。