「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

森保ジャパン、カナダに圧勝しましたが、久保建英選手は怖い表情でした。

2023年10月14日 18時45分12秒 | サッカー選手応援
昨日10月13日(金)、インターナショナルマッチデーで日本代表は新潟にカナダを迎えました。このあとのチュニジア戦と合わせ10月シリーズのテストマッチです。
私の関心は、9月のラ・リーガ月間MVPに選出された久保建英選手の起用法にありました。

三笘選手と鎌田大地選手、そして堂安選手が不在の中、久保選手は2試合ともスタメンだろうと踏んでいました。しかし、カナダ戦は出番がありませんでした。伊東純也選手を右サイドで使った上、終盤には左サイドに回して試合を終えたのと好対照でした。

トップ下には、フランスリーグ・モナコに移籍して調子を取り戻した南野拓実選手が、なんと8月のリーグ・アン月間MVPに選出されたという実績をひっさげて代表復帰、そのままスタメン起用されたのでした。

森保監督の「序列主義」がここまで岩盤だとは思いませんでした。
もっとも、識者の関心は、個々の選手が使われた使われなかったというところにあるのではなく、三笘、鎌田といった「替えの利かない選手」が不在の時に、代わりの選手がどれだけ穴を埋めるか、もっと言えば、どれだけ彼らに近いレベルで試合ができるかのほうが重要、といったところにありました。

その意味では、代わりに使われた中村敬斗選手や途中出場の旗手玲央選手たちが十分な働きをしたことを試合の成果と見る論調が多いようです。
サッカー専門誌「GOAL」のネット版は、森保ジャパンの現段階の全体的なチーム作りの意図を、次のように分析していました。

「2026年W杯に向けて続投するにあたり、世界の頂点を目標に掲げた森保監督にとって、こういったメンタルやその渇望を満たすための試行錯誤を求めることは、必要不可欠なプロセスなのだろう。カナダ戦後、5試合連続4得点以上という結果を受けて、会見で「コーチ陣が攻撃も守備もアグレッシブにチャレンジすることを選手たちに植え付けてくれて、かつシステムのかみ合わせも選手たちが前向きに力を発揮できるように伝えてくれている」と、チームとしての方針を明かしている。

 不思議なことに、ここ5試合では連続で先発して得点を記録した選手は、三笘と伊東、そして今回の田中と中村のみ。冒頭で触れた通り、その間に13名がスコアシートに名前を載せているが、うち9名がその前の試合でベンチ、または出場がなかった選手だ。招集されたすべての選手が厳しい競争に晒され、結果への渇望を強め、アピールを成功させる。そして、ベンチからそれを見守っていた選手たちもさらなる闘志を燃やす。第2次森保ジャパンでは、かつてない猛アピールのインフレーションが起きている。」

そうした状況にあることを久保建英選手も痛いほどわかっていて、9月のドイツ戦で途中出場から2アシストを記録したあと「当然(ベンチスタートで)悔しいという気持ちはあったし、日本代表がすごく良い試合をしていたので、『ここに俺がいたらもっと良い試合ができた』と思っていました。それは僕以外の誰しも思っていることだと思うので、そういった意味で出た時に結果で示すしかない」とキッパリ話していました。

そうはいっても、ラ・リーガ月間MVPという勲章をひっさげて参加した今回の代表戦、またもベンチスタートだった久保選手、心中は相当穏やかではなかったように思われる表情が中継カメラに捉えられていました。それは前半40分の相手オウンゴールによる2点目のシーンだったと思いますが、カメラがベンチの久保選手を写しました。味方の得点になりましたから、当然久保選手は拍手を送っていましたが、その表情はニコリともせず、いやむしろ怖いほど厳しい表情でした。

その気持ちがチュニジア戦にどう出るか、結果への渇望が吉と出るのか、空回りしてしまうのか。以前でしたら諸刃の剣のようなものでしたが、もはやそうではないレベルに達しているのではないかと思います。

チュニジア戦で、仮にヒーローインタビューに呼ばれる活躍をしたとしても、おそらくニコリともせず、また「意味で出た時に結果で示すしかない」とコメントするに違いありません。
いま久保建英選手は、そういう日本代表の序列争いの中で自分自身と戦っているのだと思います。

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