「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

凛とした妥協のない表情と、はじける屈託のない笑顔、人間力の大きさをそこに見ます

2016年04月27日 19時30分43秒 | サッカー・ユース年代、女子

今回のタイトル、なんのことだと思います?

なでしこジャパンの新監督に就任した高倉麻子監督のことです。

高倉麻子監督、女子サッカーの黎明期から笑顔がステキな存在感溢れる選手でしたし、読売ベレーザ所属ということもあってバラエティ番組などへの露出も多く、とても魅力的な方でした。

今日、なでしこジャパンの監督就任会見があったみたいで、ネットでは会見抄録が読めましたし、NHKニュースでは映像も少し見れました。

今回、あらためて感じたのは、U-17女子世界選手権制覇、U-19女子アジア選手権制覇を成し遂げた監督としての人間力の大きさでした。

目標や決意を語る部分での凛とした妥協のない表情と、フォトセッションの時に見せてくれる、はじけるような屈託のない笑顔、これを合わせ持っている人は、すでに高いレベルの人間力を備えていることが見てとれます。

女性にもかかわらず遠慮会釈なく年齢が暴露されますから、48歳になられたそうです。一般のビジネス社会でも企業トップあるいは幹部クラスになる時期ですから、人間としての器量の大きい方は自然にそれが滲み出て、ごく自然にトップに選ばれるものです。

U-17やU-19の監督は、企業でいえば部長クラス、せいぜい執行役員クラスでしかありませんから、高倉さんの人間としての器がどうこうと気にしていませんでしたが、今回、こうしてトップの座におさまった状態での立ち振る舞いを見せていただき、「あぁ、やっぱり、なるべくしてトップになる素晴らしい方なのだ」とわかります。

*高倉監督は「女性として初の監督だが・・・・」と問われて「選手の時からそうですけれども、一番最初を歩く役割といいますか、ずっとそうだったような気がします。ただ、一番最初を歩く役割にプレッシャーを感じることはないです。」と答えています。

この受け答えを読んで、私はNHK朝ドラの「あさが来た」で交わされた「ファーストペングィン」のやりとりを思い出しました。

主人公・白岡あさの能力を高く評価していた明治維新の高官・五代友厚が、あさに向かって「あなたはファーストペングィンになりんさい。南極という過酷なところに生息するペングィンは、海に飛び込んでエサを探すことさえも、とても勇気がいることですが、群れの中で一番初めに海へ飛び込む勇気あるペングィンの事をファーストペングィンといいます。あなたは、これまで女性がしなかったことを最初にやろうとしている。どうぞ、ファーストペングィンになりんさい。」というわけです。

高倉監督も選手の頃から「ファーストペングィン」であり続けてきた人なのだと思い至ったのです。(*印のところから、ここまでは翌朝加筆した部分です)

さる3月5日の書き込みで「なでしこジャパン佐々木監督、勝負の世界に生きる難しさ」について書きましたが、高倉監督も、これからは厳しい勝負の世界にさらされメディアの洗礼を浴び続けなければなりません。

その中で生き抜いていくには結果を出し続けていくしか方法がないのですが、選手たちの力を引き出すことにかけては、手ごたえをもっている様子です。

監督としてのデビュー戦が2015W杯カナダ大会優勝のアメリカだそうで、相手にとって不足ない、この上ないデビュー戦になりそうです。

そもそも、この試合の勝ち負けに一喜一憂してはサッカーファンの資格なしでしょう。99%勝ち目がないと考えて観戦しなくてはなりません。残りたった1%の可能性は高倉監督のマジックがさく裂すれば、といったところです。

それでも6月2日のアメリカ戦、楽しみになりました。まず誰を選んで、というところから興味深いです。

佐々木監督が、ブラジル五輪出場権失敗という、お土産のない状態で交替されましたから、まったくのゼロからの出発といっていい高倉監督です。

今回の会見での立ち振る舞いで、一気にその器量の大きさに触れたのは私だけではないと思います。うれしい体験です。

とにかく、しばらく時間をかけて楽しみにしていきましょう。なでしこジャパンの今後を。


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