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第1,162話 OJTリーダーに任命する人とは?

2023年04月12日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「何でこんな会社に入ったの?」

これは、弊社が公開セミナーを担当させていただいた際に受講者のAさんから聞いた言葉ですが、新入社員研修終了後に配属された部署の先輩からかけられたものだそうです。

Aさん自身は希望していた会社に入社できたこと、さらには配属される部署には特に希望はなかったため、どこに配属されても前向きに頑張ろうと考えていたのだそうです。

配属後に、OJTリーダーとして紹介されたのが3年上の先輩Bさんだったそうです。Bさんは仕事は丁寧に教えてくれる一方で、ランチタイムや移動中などにAさんが聞いてもいないのに自社の問題点を一方的に話すため、Aさんは入社早々に会社のマイナス面ばかりを知ることとなってしまったのだそうです。

Aさんの部署にはBさん以外の先輩のほか主任や、管理監督職として係長や課長もいたそうですが、仕事は基本的にBさんから習うことになっていたため、他の人とのコミュニケーションの機会はあまり多くはなかったとのことです。

Aさんはその後も「評論家」と化したBさんから、会社や仕事のマイナス点を聞かされ続けていたそうですが、結局1年後にBさんが退職することになり、ネガティブな話の洪水からようやく解放されたのとのことです。

Bさんが退職したときにはAさんは入社2年目で、ある程度自分だけで仕事を進めていけるようになっていたこともあり、Bさんの後任のOJTリーダーは任命されず、判断に迷ったときなどは内容によって直接主任や管理監督職に相談できるようになっていたとのことです。その結果、様々な人の考え方や仕事の進め方を知ることができるようになり、「勉強にもなったし仕事がとても楽しいと感じられるようになりました」と生き生きとした表情で語ってくれました。

この話を聞いて私が思ったのは、新入社員を受け入れた組織ではOJTリーダーを任命して新人の育成を進めることが一般的ではありますが、一人に限定してしまうことには前述のようなリスクもあるということです。

もちろん、申し分のない人がOJTリーダーに任命されるのであれば何の問題もないのですが、残念ながらそういう例はあまり多くはありません。そうすると、場合によっては新入社員はBさんのような人から仕事を習うことになり、Bさんのように組織のマイナス面を伝えたりすることで新入社員のモチベーションを下げてしまうことにもなるため、この点は問題です。

また、新人へのOJT担当を一人の人間に限ってしまうと、仮に双方の相性があまりよくなかったりしたときには、OJTがスムーズに進まないという問題も起こってしまいます。さらに言えば、教える側にもスキルや知識の得意・不得意分野といったものもあるはずです。

では、これを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?前述のような問題を防ぐためには、OJTは一人の人間に限るのでなく、複数やチーム全体で担えるようにすることがお勧めです。そうすれば、各々の分野で一番得意な人から習ったり、様々な考え方や仕事の進め方を学んだりすることで、幅広い知識やスキルを身に付けることができるのではないでしょうか。

私は、これまで様々な組織のOJTの進め方について話を聴く機会がありましたが、OJTリーダーを一人に特定する組織がとても多いのと同時に、それ故の問題や課題が生じているところも多いと感じていました。

企業によっては、間もなく新入社員研修が終了し、来週早々には各部署へ配属するというところもあります。前述のような問題や悩みを抱えている組織は、ぜひOJTリーダーの任命のあり方について、今一度検討してみてはいかかでしょうか。

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