中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第979話 テレワークでふるいにかけられる暗黙知

2020年12月06日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

暗黙知とは、言語化することが難しい「経験や勘」に基づく知識です。簡単に言えば、ベテランの社員が持っている「言葉では表せない」ノウハウやコツなどです。30年くらい前までは、どんな工場にも職人気質のベテラン社員がいて、機械を見事に操っていました。やがてオートメーション化進むにつれ、「経験や勘」の働く余地が少なくなっていきました。

それは事務系の分野でも同様です。もちろん今でも、営業や経理や総務などにはいわゆる「職人さん」が必ずいます。しかし、以前のようにOJTの場や飲み会などで、職人さんや先輩から暗黙知が継承されていく機会は大幅に減りました。

このままテレワークやAI化が進むと暗黙知が伝わらなくなり、やがて日本企業の優位性はなくなってしまうのではと思われるかもしれません。たしかに暗黙知を伝承する場がなくなるのですから、その可能性は大いにあります。

これまで日本企業を陰で支えてきた暗黙知は風前の灯です。

ただし、暗黙知を一括りにして議論するのは避けるべきです。

「マニュアルや言葉では表現できない」という点はさておき、そのノウハウやコツは本当に貴重な知識とえるのでしょうか。正直に申し上げれば、おそらく9割は「どうでもいい」ものです。私が知るベテラン社員の中には、もったい付けて自分のノウハウを語る人もいましたが、「それ、別に要りませんよね!?」というのが正直な感想でした。

テレワークが日常化するにつれて、こうした「無価値な暗黙知」はいつの間にか消えてなくなることでしょう。それは会社にとって大変ありがたいことです。問題は、真に価値のある「暗黙知」をどうやって継承していくかです。

そのためには思い切って、皆さんご自身がお持ちの暗黙知(と思われるもの)を形式知に、つまり文章で表してみてください。具体的でなくてもいっこうに構いませんし、あいまいな表現でも結構です。

おそらく、本当に有用な暗黙知は形式知(たとえばマニュアル)にすることができるはずです。形式知にしたら部下や後輩にそれを伝えてみてください。一度では上手く行かないと思いますので、何度も繰り返してみてください。その過程で最後まで消えずに残った知識やノウハウは大切です。

それは、テレワークのような環境下でもしっかりと共有化されるべき価値ある資産です。

さて、あなたがお持ちの「暗黙知」はいかなるものでしょうか?

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