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営業プレゼンが失敗する理由

2016年09月11日 | コンサルティング

ある会社の営業課長Aさんの話です。A課長の下にはB君という部下がいました。今回、見込み客のX社に対する地道な営業活動が実って、X社の社長がわざわざ来社してプレゼンを聴いてくれることになりました。B君は何日もかけて準備をし、当日を迎えました。A課長は資料の出来が良かったので、B君にプレゼンターを任せることにしました。

プレゼンは和やかに進み、X社の社長は満足そうに帰っていきました。

しかしプレゼンの後、A課長はB君に「いまのプレゼンは0点だ!」と言いました。

B君は、決して間違ったことや失礼なことを言ったわけではありません。むしろお客様であるX社の商品を褒め、社長の取り組みを賞賛していました。

それなのに、なぜ叱られなければならないのだろう、そう思ったB君はA課長に聞きました。

「課長、私のプレゼン内容のどこがいけなかったのでしょうか?」
「プレゼン自体の出来は80点だった。」
「80点?それがなぜ0点になるのですか?」
「君が一番肝心なことをしなかったからだよ。」
「・・・当社の製品の売込みですか?かなり詳細にプッシュしましたけど。」
「しかし、君はお客さんの”買う気”をなくしてしまった。」
「一所懸命売り込んだつもりですが。」
「なぜX社は当社の製品を検討したと思う?」
「それは、お客さんが感じている不安や不満を解消するため・・・あっ!」
「気がついた?君のプレゼンは褒めることでそれを小さく見せてしまった。」
「はい・・・一方的に褒めることで、現状で満足だと思わせてしまいました。」
「プレゼンの目的は、お客さんの問題点を指摘し、解決策を示すことだ。」
「すみません。X社の社長に気分良くなってもらって、それから売り込もうと。」
「それはダメだ。お客さんの問題を当社の製品で解消することが営業なんだ。」
「私のプレゼンはその目的を達成できませんでした。たしかに0点です・・・」

営業活動を円滑に進めるためには、顧客の問題点をしっかりと指摘しなければなりません。もちろんダメ出しばかりでは反感を買うだけですが、顧客は現状をより良い状態にしたいからこそ営業担当者の話を聞くのです。

プレゼン資料がどれほど良い仕上がりでも、本来の目的を外してしまっては失敗と言わざるを得ないでしょう。

(人材育成社) 


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