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営業部だからワーク・ライフ・バランスが実現できる

2016年11月06日 | コンサルティング

コンサルティングやセミナーで「営業にこそワーク・ライフ・バランスが必要です!」と言うと、次のような反応が返ってくることがあります。

「仕事より家庭を優先したら、売上はあっという間に落ちてしまいますよ。」「仕事時間とプライベートの時間を半々にしろってことでしょ?それは無理だな。」こうおっしゃるのは、大体は中小企業の経営者の方々です。

営業部といえば、「朝から晩まで働きづめ」という印象があります。外回りから帰ってくるのが夜の7時頃。そこからメールの処理をして日報を書き、必要ならば会議をする。そして、翌日の顧客訪問のための資料を仕上げて時計を見るとそろそろ終電間近・・・。こんな働き方をしている人は決して少なくはありません。ワーク・ライフ・バランスという言葉から最も遠いところにあるのが営業部のようです。

ここで大きな誤解があることを指摘しておきたいと思います。それは「ワーク・ライフ・バランス」という言葉についてです。

内閣府によれば、ワーク・ライフ・バランスとは「個人が仕事上の責任を果たしつつ、結婚や育児をはじめとする家族形成のほか、介護やキャリア形成、地域活動への参加等、個人や多様なライフスタイルの家族がライフステージに応じた希望を実現できるようにすることである。」とあります。
(平成19年6月、内閣府「子供と家族を応援する日本」重点戦略検討会議)

バランスというと、バランスシート(貸借対照表)のように左右の数字が一致しているというイメージが強いため、仕事時間とプライベートな時間を同じにすることと思われがちです。

ですが、それは間違いです。

定義にもあるように「仕事上の責任を果たしつつ」、「(個人や家族の)希望を実現できるようにする」ということですから、無理やり時間を一致させることではありません。仕事と自分や家族のライフスタイルを上手に両立させることがワーク・ライフ・バランスです。

会社の中には、ひたすら仕事の量をこなすことで短期的な成果を上げたいと望む人がいます。また、介護や育児のために残業をせずに帰宅する人もいます。終業後に専門学校や公開セミナーに参加して長期的にスキルアップを目指す人だって少なからずいます。

このように、人によって最適な働き方は様々です。

共通している点はただひとつ、限られた時間を最大限有効に使わなければ実現できないということです。ですから、営業のように時間を取られる仕事こそ、他の仕事よりもっと効率良く進めていく必要があります。

しかし残念なことに、仕事の進め方に関しては、当社が知る限り多くの会社の営業部は驚くほど「受身」で「消極的」です。「そんなことは絶対にない!」、「うちの営業ほど積極果敢な連中はいない!」といつも反論されるのですが・・・。

実際に営業部の仕事の進め方を調べてみると、「進んでお客様の言いなりになること」や「自社の工場や倉庫、管理部門に無理強いをすること」を積極的であると勘違いしている場合がほとんどです。

そんな仕事の進め方をしていれば、目先の仕事に振り回されて時間と労力を無駄にしてしまうことは明らかです。

本当に積極的に動くということは、お客様にも社内の他部署にも「先手」を打って効率良く仕事を進めることです。

そして、効率の良い働き方が実現できれば、まさに人によって最適な仕事と生活の両面において充実した時間を過ごすことができます。

「先手」が打てる営業部ほどワーク・ライフ・バランスを実現するのにふさわしい職場はありません。

(人材育成社)

 


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