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第982話 テレワークは暗黙知を共有することが難しい

2020年12月16日 | コミュニケーション

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「テレワークの縮小や中止2割」

これは、先日の朝日新聞の記事の見出しです。これ以外にも、東京商工会議所の調査でもテレワークの中止に関して同様の結果が示されていました。

テレワークを中止した理由には様々あるようですが、中でもコミュニケーションが希薄になっていること、また仕事の生産性の低下が数多く指摘されています。

それでは、実際に生産性はどのくらい下がっているのでしょうか。複数の調査の結果を見てみると、出社して仕事をしていた時と比べ概ね6~7割に下がっていると言われています。 

さて、ではこの数字をどう見れば良いでしょうか?「3~4割も下がってしまった」と考えるのか、「もっと下がっているかと思った」のか、感じ方は様々だと思います。

私もこの数字は決して小さくはないと思いますが、テレワークでの制約を考えれば差があることは仕方がないはずです。問題は今後この制約による低下をどう改善していくかだと考えています。

この観点で考えると、テレワークで指摘されている問題点の多くが「コミュニケーション」に関するものです。「コミュニケーションの質や量の低下により意思疎通が難しくなった。関係が希薄になった。その結果として仕事の生産性に大きな影響が生じている」というわけです。しかし、私は様々な企業の研修を担当させていただいている中で、問題はその2つだけではないと感じています。

コロナ禍で多くの企業でテレワークが導入されるようになって半年以上が経過していますが、私は「暗黙知が得られにくくなった」ことが新たな問題として顕在化しつつあるのではないかと考えています。

暗黙知とは「人が経験を通して身に着けた技術やノウハウ、ものの見方」など言葉などで表現が難しいものです。これまでのように職場で多くの社員が一緒に仕事をしている場合には、OJTリーダーや直属の上司のみならず周囲の様々な人から「学ぶ機会」がありました。

たとえば、交渉の仕方やクレームへの電話対応、上司からの指示の受け方、報告や相談の仕方、他部署の人と自部署の人のやりとり、周囲の雑談など、様々な情報をキャッチすることができます。また優秀な成績を修めている社員の仕事の姿勢や言動などを学ぶ機会も得られます。しかし、こうしたいわゆる暗黙知の大半はノウハウとして言語化することは難しいものなのです。

これまでのように対面で仕事をしていたのであれば、これらの暗黙知をその中で自然に学べていたのに、テレワークになったことにより圧倒的にその場面が減少してしまった。私は、これが生産性が下がっている大きな理由なのではないかと考えています。

特に、新人や若手にとってテレワークによってこうした学びの機会が減ってしまったということは、人材育成の上でも大きな問題です。

今後、コロナ禍が収束したとしてもテレワークが継続されるのは間違いないでしょう。そういう中で、まずはテレワークのマイナス面として暗黙知を学ぶことが難しいということをしっかり把握することが必要です。そのうえでどうすればそれを補うことができるのか、その対策を考えていくことがテレワークの生産性をあげていくことや、人材育成の上での鍵になるのではないかと考えています。

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