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模造紙は世界中で使われている優れた道具

2014年05月04日 | コンサルティング

研修のグループワークといえば、大きな紙(模造紙)にマーカーで色々と書き込み、全員の前で発表する様子を思い浮かべる人も多いでしょう。実際、模造紙を使ってのグループワークは大変効果があります。

ところで、なぜ「模造」紙なのでしょうか。

Wikipediaによれば、明治時代の「上質皮紙を模した紙」から来ているそうですが、「製法や印刷適性の向上もあり、すでに何かの真似ではないにもかかわらず名前は以前のまま模造紙と呼称している」とのことです。新潟県出身の私(平野)には、大洋紙(たいようし)と言う方がしっくりくるのですが、広用紙(ひろようし)、鳥の子用紙、ガンピ、B紙と地方によって様々な呼び名があるようです。

さて、模造紙をテーブルに広げて、グループ全員が話し合いをしながら文字や図を書き込んでいく過程は、どのような効果を生むのでしょう。

ひとつはディスカッションの活性化です。「話し合い」という抽象的な作業が、何も書かれていない大きな紙に文字や図を書き込んで行くという具体的な作業に置き換わります。それによって、たくさんの意見やアイデアが出やすくなります。もうひとつは、思考の整理が容易になることです。グループのメンバー全員から見える大きな文字によって、ディスカッションの全体像を俯瞰(ふかん)しやすくなり、矛盾点や不足している部分が一目瞭然となります。

こうした模造紙を使ってのディスカッションは日本特有のものだろうと思っていましたが、先日スイスの大手電機メーカの研修で模造紙を使っいる様子が専門誌で紹介されていました。その効果は、すでに世界で実証済みというわけです。

このように低コストで高い効果が得られる模造紙ですが、難点がひとつあります。それは、書き上げるのに時間がかかることです。

もちろん、多少時間がかかっても模造紙を囲んで話し合うことは決してムダにはなりません。それどころか知識の獲得・定着に大いに役に立ちます。

とはいえ、短時間に多くの知識やスキルを習得しなければならないのが研修です。

研修講師は、グループの机の上に模造紙が乗せられた瞬間、時間との戦いが始まったことを知るのです。

(人材育成社)


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