中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,063話 MBAは「社長」の学びに不要です

2021年10月10日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「経営者セミナーで〇〇社の会長のお話を聞きました。いやぁ、実に素晴らしい内容でした」先日、ある中小企業の社長さんがちょっと興奮気味に私に言いました。〇〇社とは誰もが知っている大企業です。

「その会長さんが言うには、すべての経営者は戦略思考を持たなければならないと言ってました。戦略思考というのは、ロジカルシンキングを土台にした経営理論の上に成り立っているそうで、たとえばマーケティングについては・・・」社長さんは目を輝かせて語っていました。

そして「やはり〇〇社の会長さんみたいにMBAを持っている人は違いますね。実際、アメリカの大企業のトップの多くは有名ビジネススクール出身だそうです」と言いました。

私は社長さんが学ぶことについて非常に前向きになったことに素直に感動しました。そこで、私は提案をしてみました。「社長さん、次回の管理職研修を受講なさってください」

すると社長さんの顔が一転、少し曇ったようになりました。そしてこう言いました。「いやいや、管理職研修を社長の私が受けても意味がないでしょ。ビジネススクールで学ぶような戦略論こそ大事ですよ。」

私は思い切って次のように言いました。

「社長さん、気分を悪くされたら申し訳ないのですが、MBAのような学問は中小企業の、いや大企業も含めてほとんどの日本の会社の経営者には不要です。その理由はすでに大企業、それも優良企業として安定している〇〇社には優秀な管理職や社員がたくさんいます。社長は余計なことをせず神輿に乗っていればまず失敗しません。有名な大企業のトップの仕事の半分は自社の”広告宣伝”です。MBAのような"まぶしい”ラベルを貼った人が発信した方が説得力がありますしね。さて、御社には〇〇社と同じくらい優秀な管理職や社員がたくさんいますか?・・・あ、失礼しました。ほとんどの日本の会社は御社と同じです。それに戦略論や、マネジメント理論、マーケティング、ファイナンス理論などMBAレベルの学びは少なくとも日本では役に立ちません。そうした本を1冊買ってきて読んでみれば簡単にわかると思います。それは単なる教養であって、まったく実務の武器にはなりません。ビジネススクールは大企業で働く人たちのカルチャースクールです。」

一気にまくしたててしまった後でちょっと後悔しましたが、言いたいことは伝えました。

「管理職研修の受講をお勧めしたのは、実務と経営の接点を学ぶことができるからです。ぜひご一考ください。」

社長さんは難しい顔をしたままでした。もちろん、中小企業の経営者が学ぼうとすることはとても素晴らしいことです。だからこそ間違った学びを選ばないように注意をする必要があります。

では具体的にどのような内容を学ぶべきか?「社長の研修」プログラムは近々明らかにしてまいります。

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