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大企業に就職したければ四力を学べ!

2014年01月19日 | コンサルティング

毎年、ビジネス誌で大学生就職企業人気ランキングが発表されますが、当然、誰もが名前を知っている大企業ばかりがランクインします。

以下はある中堅クラスの大学の2013年度の就職先です。

JR東日本(東日本旅客鉄道)、JR東海(東海旅客鉄道) 、NTTデータ、三菱重工業、キヤノン、日立・・・そうそうたる大企業ばかりですが、これらの企業に入るためにはかなり厳しい競争を勝ち抜く必要があります。

実はこうした人気企業に就職しやすい学科があります。

工学部、工学系大学院の機械科です。

以前、ある大学の機械科(大学院)のホームページには「卒業生の多くは大手企業に就職しています。就職活動でそう困ることはありません」と書いてありました。そして「大手企業から多くの求人が来るのは本学に限ったことではなく、他大学の機械科に共通した傾向です」と続けていました。

なぜ機械系の学科が就職に強いのかと言えば、メーカに限らずどんな企業でもその技術が必須だからですが、それだけではありません。

先日、ある機械系の大学院を卒業して大手企業に就職し、現在管理職になっている友人にその話をするとこう言って補足してくれました。

「確かに工学部は他学部に比べてかなり就職は有利だね。ニーズがあることはもちろんだけど、やっぱり学部の1年から四力とかを叩き込まれるからね。」

「ヨンリキ?」経済学部出身の私には耳慣れない言葉でした。

「ああ、機械工学4力学のこと。熱力学、流体力学、材料力学、機械力学だね。」

「それって、必須科目?」力学と聞いただけで、高校時代の物理を思い出して私は気分が暗くなりました。

「今は知らないけど、30年位前の機械学科では必修だった。単位を取るのが大変だったよ。」

それからいろいろ話を聞いてみると、どうやら四力は「機械を作る⇒動かす」ためにはなくてはならない知識だということが分かりました。

機械学科が就職に強い大きな理由は、まさに「(四力という)基礎を徹底的に叩き込まれている」ことにあると思います。

私はあらためて基礎というものの大切さを認識しました。

それに比べて、あまり勉強をしなくても卒業できてしまう経済学部はどうしたものでしょうか。基礎も習得せずに「就職活動が厳しい・・・」などと言っても仕方がないような気がします。

そこで提案ですが、経済学部も四力にならって「経済学、会計学、統計学」を「3K(経、計、計)」と称して徹底的に叩き込んではいかがでしょうか。

・・・いや、そんなことをしたら入学志願者が激減して大学の経営に影響を与えるかもしれませんね。

※ http://www.mech.kogakuin.ac.jp/ms/feature/about_4riki.html

(人材育成社)