「メガネ型のスマホ登場」
今夜のNHKクローズアップ現代のテーマです。今、グーグルはじめ日本のメーカーでもウェラブル端末の開発が急ピッチで進められているそうです。番組でウェラブル端末の「今」を一部垣間見た私の感想は「うーん」
番組では、ある病院で手術の準備にこれまでは看護師が膨大な作業をしていたものを、ウェラブル端末を身に付けた派遣の職員が端末の指示に基づき迅速・正確に行えるようになった。結果、看護師の負担を3割も減らせることができたという事例が紹介されていました。
さらに、ものづくりの現場にも大きな変革が起こる可能性を示唆していました。 現在開発中のシステムでは、身に付けた端末の指示に従うことで、あまり熟練していない人間でも熟練工並みの作業ができるということです。
このようなプラスの面の一方、別の会社の業務改善の事例の紹介もありました。
それは名刺型の端末を身に付けることで、「いつ誰と会話したか」、「どの時間帯にどれくらい集中していたか」など従業員の行動がわかり、働き方をデータ化できることです。
これまで経験と勘で行ってきた業務改善を端末を使って、集めたデータをコンピューターで解析することが主流になっていくのではないかといったものでした。
番組の中でこれを見たコメンテーターの方が 「ここまで来てしまっているのか」という感想とともに、プラスの側面の一方、使い方によっては社員の監視やプライバシーの消滅などにつながる可能性についての言及もありました。私もこれを見て正直ちょっと怖いなと感じました。
前半の例にように、端末の指示に従って作業すれば熟練工並みのものづくりができると、これはある意味でものづくりの現場に革命をもたらすと言えるのかも知れません。これまで上司や先輩が行っていたOJTによる教育訓練に求められる割合がウェラブル端末を使うことで、今後低くなっていくのかも知れません。近年教育訓練が上手く進まない理由の一つとして「上司が忙しくて時間が取れない」という問題が挙げられますが、解決の一助になりそうです。
もちろん、人材育成はコンピューターの指示に従っていればある程度できるようになる技能だけではありません。部下の習熟度に応じて、少しずつレベルアップをさせるには、上司は部下をきちんと観察していなければなりません。さらに技能だけでなく、マナーを始めとした態度教育も必要です。
人材育成は総合的なものですから、全てがコンピューターにとって替わられることは考えにくいですが、教育訓練においての活用方法はいろいろとありそうです。
急速に進歩するウェラブル端末からは目が離せないと感じました。
(人材育成社)