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「順番にやっていますから」 

2013年11月14日 | コンサルティング

「順番にやっていますから」

「待ち時間は何分くらいでしょうか?」 との質問に返ってきた言葉です。

先日、処方箋を持って薬局に行ったところ一見して混んでいました。その日は先を急がなくてはいけなかったので、もし待ち時間が長いようであれば別の日にしようと考えて質問をしたのです。

「あまり時間がないので、何分位かかるのか知りたいのです。どれ位待つことになりますか?」と再び質問をしましたが、再び「順番にやっていますから」という答えが繰り返されました。

結局、確認したかったことの返答を得られなかったので、私は薬を諦めて薬局を後にしました。

具体的な数字をあげて、もし余計に時間がかかるとクレームになって困るから、とマニュアルで決められた定型的な表現なのかもしれませんが、このようにあいまいな表現を用いることが結構多いですね。

あいまいな表現の定義は、「大きい」「小さい」などの形容詞を中心に、「たぶん」「だいたい」などの表現、「○○だと思います」などの受動態のことを言います。

曖昧な表現を定量化すればクリアになるのにと思いつつも、自信が無い時など曖昧表現を多用している自分にふと気がつく時があります。

皆さんは「折り返しすぐに電話します」という時の「すぐに」は、どれ位の時間をイメージしますか。

先日、研修で受講者に尋ねたところ、2~3分から4時間まで人によってとらえ方が大きく違いました。2~3分を想像していた人が4時間も待たされたら、きっと待ちくたびれてしまうと思います。

このような場合などにできる限り定量化することができれば、具体的なイメージを持つことができるので安心感につながり、双方とも無駄なエネルギーを使わなくてすむのにと思うのですが、どうでしょうか。

そんなことを考えていたところ、先週末の夜、お腹が空いたので家路を急いでいた時のことです。「信号機故障により電車が大幅に遅れています。振り替え輸送を行っていますので、乗り換えてください」とのアナウンスがホームに流れました。「大幅に遅れているのでは仕方がない」と考えて、振り替え輸送の電車に乗り、遠回りをして家にたどり着きました。

お腹がぺこぺこでふらふらになりながら、テレビをつけたところ、大幅に遅れていたはずの電車が私が振り替え輸送の電車に乗り換えたすぐ後と思われる時間に動き出したことがわかりました。

「大幅に遅れています」と言ったじゃない!だから乗り換えたのに。こうだからあいまいな表現は困るんだ」と思いながら、遅い夕食をとりました。

(人材育成社)