今朝、知人から郵便が送られてきて、何かなと思って開いたら、文庫本が四冊入っていた。蓮見重彦の本が二冊と、吉本隆明の『共同幻想論』と『吉本隆明歳時記』。吉本の文章か、いいかもと漠然と思っていると、テレビに、その吉本の顔。あっ、とうとう、と、やはり。訃報。
以前、亡くなった人のことを書くたびに、このジャンルは、この人がいるから大丈夫と思うことのできる人だったと書いたが、吉本隆明は「ジャンル」じゃないよなと思った。ものごとについて考えること、ものごとから考えられること、ものごとを作り出す考える力、そんな考えることの全体があった。時間の延び、空間の広がりがあって、戦後から現代までアクチュアルに強靱に思索し続けた人だった、と思う。
二年ぐらい前になるのか「文学界」だったかな、で、高橋源一郎と小熊英二が対談していて、吉本に関する世代イメージの違いが現れていた。小熊はコマーシャルの中の吉本のイメージを語っていて、吉本を乗り越えるとかいうのとは違う発想にいる世代の動きが感じられた。
何らかの形で、特集が組まれると思う。吉本の思索の軌跡は刻まれている。
お聴きよ!
おまえの微かな魂の唱……
夜更けの風の響きにつれて
さだかならぬ不安を呼び寄せている
(「エリアンの手記と詩」から)
以前、亡くなった人のことを書くたびに、このジャンルは、この人がいるから大丈夫と思うことのできる人だったと書いたが、吉本隆明は「ジャンル」じゃないよなと思った。ものごとについて考えること、ものごとから考えられること、ものごとを作り出す考える力、そんな考えることの全体があった。時間の延び、空間の広がりがあって、戦後から現代までアクチュアルに強靱に思索し続けた人だった、と思う。
二年ぐらい前になるのか「文学界」だったかな、で、高橋源一郎と小熊英二が対談していて、吉本に関する世代イメージの違いが現れていた。小熊はコマーシャルの中の吉本のイメージを語っていて、吉本を乗り越えるとかいうのとは違う発想にいる世代の動きが感じられた。
何らかの形で、特集が組まれると思う。吉本の思索の軌跡は刻まれている。
お聴きよ!
おまえの微かな魂の唱……
夜更けの風の響きにつれて
さだかならぬ不安を呼び寄せている
(「エリアンの手記と詩」から)