パオと高床

あこがれの移動と定住

倉橋由美子さん さようなら

2005-06-14 11:34:42 | 雑感
倉橋由美子さんが死んでしまった。ちょうど、今『聖少女』を読んでいる。
以前、網野善彦について、このジャンルはこの人がいるから大丈夫と思わせてくれる人だった
と書いたことがあるが、倉橋由美子もそう思わせてくれる人だった。本人は自身を前衛とは
言わなかったと記憶しているが、まさに時代の先端飛び抜けていた人で、小説を
形態と内容共々に鋭く問いつめていく人だった。
驚きや惑乱を感じながらも強く感動させられながら『聖少女』をもう少しで
読了できそうな時、また、ここのところ実はこの人のことを気になる度合いが強くなっていた時、
であった。
とても残念。あとは、残された作品をポツポツと読んでいきたい。
それにしても、少し前には塚本邦雄という短歌の最前衛も亡くなってしまった。
表現の荒野を突っ走り、表現の沃野に屹立した人がいなくなるのは悲しい。
塚本邦雄については岡井隆が朝日新聞に痛恨の文章を書いていた。
コメント
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