群馬訪問最終章は「碓氷鉄道文化むら」の記事の続きになる。鉄道文化むらがある信越本線・横川駅から軽井沢間の碓氷峠越えの区間の約11キロ、アプト式時代に使用されていた旧線は1997年に廃線になったが、現在その一部は「アプトの道」として遊歩道(ハイキングコース)として整備されている。
その途中にあるのが写真の通称「めがね橋」と呼ばれる旧信越本線「碓氷第三橋梁」である。全長91メートル、高さ31メートル、イギリス人技師により設計されたというレンガ造り4連アーチ、使用したレンガの数は200万個とも言われている。1893年竣工。現存するレンガ造りの橋では国内最大規模で、国の重要文化財である。
碓氷峠の山の中にあるのだが、遊歩道でのアクセスのほか、私のような汗をかきたくない、時間がないという者のため?旧国道18号からすぐ橋梁下部に容易にアプローチが可能で、遊歩道に続く階段で橋の上まで登ることができる。(当然、遊歩道利用者は階段を降りて下から見上げることも可能。)旧18号沿いには駐車場やトイレも完備されている。紅葉の頃は人気スポットだという。
この第三橋梁、歴史的に見ても価値があることは間違いないのだが、実は先の富岡製糸場の世界遺産登録が検討されている時点では、構成遺産群の一つとして候補に挙げられていたものの、橋梁の建造目的は繭や生糸などの貨物輸送よりも、旅客輸送に重点が置かれていたことから削除された経緯がある。(せめて土木遺産であってもいいと思うのだが…)
ただ、遊歩道は横川駅(鉄道文化むら)から途中の6キロの旧熊ノ平までであるが、その間にある第三橋梁を含む5つの橋梁、10か所のトンネル(遊歩道区間すべてのトンネル)、加えて丸山変電所蓄電池室及び機械室、熊ノ平変電所本屋と18もの鉄道関連施設が国の重要文化財に指定されている。遊歩道を歩かなかった自分はかなり損をしていますね!
前回からの繰り返しにはなるが、鉄道文化むらだけでなく、アプトの道を歩くことによて貴重な鉄道遺産に触れることができるほか、周辺には碓氷関所、坂本宿、峠の湯、碓氷湖など見どころも多い。上信越道「碓氷橋」(全長1,262メートルの斜張橋)」、碓氷湖の「夢のせ橋(碓氷湖の人道橋)」、アプトの道には含まれないが「碓氷第十三橋梁(重要文化財)」などなど、周辺には群馬が誇る橋の数々、こちらもぜひ見てほしい。