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八百長騒動-4

2011-02-05 23:25:40 | メモ
 ・・・・・ 《天声人語・朝日;2月3日》

▼白鵬が勝ち続けていた昨秋,玉ノ井親方(元大関栃東)が日経新聞に寄せたコメントがよかった。
「朝青龍は強引な相撲で時に事故のような負け方をしたが,
白鵬は『交通ルール』をきちんと守って勝っている」
といった解説だった。
▼幕内で朝青龍に10勝,白鵬にも5勝した実力者ならではの,巧みな例えにうなったものだ。
真剣勝負だからこそ「事故」も起きれば,「ルール」の理も意味を持つ。
そう信じて、ファンは一喜一憂してきた。
▼すべての声援や解説をあざ笑う愚である。
野球賭博事件で押収された力士の携帯電話に,八百長を思わせるメールが残っていた。
星の貸し借りや売買のほか,取り口の打ち合わせまでしていたらしい。
▼八百長については元力士が証言し,週刊誌が何度も書いてきた。
日本相撲協会はそのつど否定し,裁判で多額の賠償を認めさせている。
昨日の会見でも,放駒理事長が「過去にはなかったこと」と不自然に強調したが,
関取多数が手を染めたとなれば常態化が疑われる。
▼本職をサボる八百長は,賭博や酒のトラブル以上に罪深い。
素行不良にとどまらず,慢性の重病が明るみに出たようなものだ。
それも,勝負事の命にかかわる病である。
悲しく脱力し,熱戦のあれこれを心でスロー再生しているファンも多かろう。
▼真剣勝負とは別の「ルール」が存在したのでは,どんなスポーツも成り立たない。
「勝つ」以外の意思が土俵に紛れ込んだ時,プロスポーツとしての大相撲は死ぬ。
大多数の力士が,おびえではなく怒りに震えていると思いたい。

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