イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

イワシを食らう――共食い賛歌――

2008年04月21日 23時19分53秒 | ちょっとオモロイ
つい先日、某所でイワシを食する機会があり、そのイワシが、それを食べたシチュエーションといい、その味といい(絶妙に煮付けられていた)、とっても美味しかったので、こりゃあ一生忘れられないだろうな、と思っていたのだけど、というか、たぶん忘れないのだけど、それ以来、これに味をしめたというのか、一応自分もイワシなのだからもっとイワシのことを深く知らなければならないという義務感というのか、喩えて言えば一応中国人を演じているのだから中国についてもっと深く知らなければならないゼンジー北京の心境というのか、あるいは単純にカルシウムが不足している身体からの要求なのか、ともかくなんだか妙にイワシが食べたくなったのだけど、実はウチではほとんどイワシを食べたことがなくて――というのも、イワシってメインディッシュにはなりにくいし、かといって朝とか昼にも、特にあえて食べるものでもないし、いつどうやって食べていいかがよくわからないというか、そもそもスーパーでもあんまり(少なくとも目立ったところには)売ってないように思えるし――、どうしたもんだかと思ったのだけど、とにかくスーパーの魚売り場をふらふら物色していたら、イワシの干物があったので衝動的にそれを買って、家で焼いて食べてみた。

驚いた。これは美味い。頭から尻尾まで、まるごとワリワリと食べることができる。美味しい。頭も背骨も内臓も、苦味があるけど、それがまた美味い。納豆と並んで、毎日欠かさず食べたいものリストにノミネートしたいくらい美味い。それでもって、値段もそんなに高くない。そこのスーパーはたまたまなんでも安いのだけど、五匹で、二百円。これは安いよ。朝ごはんに食べてもいいし、晩御飯のおかずにしてもいい、酒の肴にもいい。健康にもきっといいし、残飯も出ないから、環境にもいい。頭も、良くなるかも? イワシ、やるじゃん。うん、これはイワシLoveだ。間違いない。これからは、イワシなるべく毎日食べよう。そう思って、さっそく通信販売でイワシの干物注文してしまった。

そういえば、イワシといえば思い出すのだけど、十年くらい前、京都にいたころ、当時働いていた会社があったビルの、変わり者の守衛のおっさんと仲良くなって、そのおっさんの馴染みの北白川あたりのディープな店で飲んでいて、それで、もう何時だったのか覚えていないのだけど、おそらく深夜に店を出て、そういえば店で知り合った美大生のこれまた変わり者の二人組みの女の子も一緒だったのだけど、近くの神社で祭りをやっていたので――祭りといっても、普通の、華やかないわゆる「お祭り」じゃなくて、そんな時間に人が集まっているくらいだから、なんというか文化人類学的というか、地元に古くから伝わる呪術的な集まりというか、ともかくおどろおどろしい何かがベースになっている、アンダーグラウンドな祭りで、さらにそこにいたのもなんとなくすごみというか迫力のあるおっさんばっかりだったのだけど――、ともかく真冬で寒かったので、焚き火をしているそのおっさんたちの近くに寄っていったら、おっさんたちがその焚き火の火で串刺しにしたイワシを焼いていて、兄ちゃん食いなよ、ってな感じてイワシをくれて、でもなんというかそれがとっても自然で、こっちからは何にも言わないのに差し出してくれるというか、まるで漁師がメシ食ってるみたいな、男祭りといいますか、漆黒の闇の中で、なんとも神秘的なといいますか、感無量な思いで、おっさんと、美大生の女子とたちと一緒にイワシにかぶりついたのでありますが、それが本当に美味しくて、いまでもイワシを食べるとそのときの味を思い出すのだけど、そういえばその日はそのままその守衛のおっさんの家に泊めてもらったのだけど、やたらにというか相当に本の多いアパートで、かなり酔っていたのでそのまま何も考えずに寝てしまったのだけど、今にして思えばおっさんには妻子がいたのだけど、そのアパートではなくて近くに住んでいるのだと言っていて、まあ、別居というのか、複雑な関係なのだったのだと思うけど、そのときはまだ若かった僕にはよくわからなかったというかピンとこなかったのだけど、おっさんはおっさんなりにいろいろ大変だったのだなあ、ということを思ったりしたのだった。

もうなにも言わないでいい優しさは黙ってかじるイワシの頭さ

というわけで、みなさんもよかったらぜひイワシ焼いて食べてみてください。苦手な人もいるみたいだけど、僕はとっても美味しいと思います(だって、イワシの翻訳Loveとかいいながら、イワシ嫌いっていうのも、なんとなく嫌じゃないですか)。魚一匹丸ごと食べるというのは、なんともワイルドな気持ちになります。僕は「ししゃも」も好きですがししゃもにくらべてイワシの方がずっとパンチがあります。というかヘビーな感じがします。ししゃもが初恋なら、イワシはオフィスラブって感じです。ししゃもが内野安打なら、イワシは右中間を深く破るツーベースヒットっていう感じです。よくわかりません。ともかく、食べ続けたら、元気になりそうです。今年の夏は、パワフルに乗り切りたいと思います。それにしても、まったく翻訳の話題に触れてませんね。どうもすみません。ではでは。

『憲法九条を世界遺産に』太田光・中沢新一
『幸せのちから』クリス・ガードナー著/楡井浩一訳
『男と女』渡辺淳一

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6 コメント

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いわし組もいいな (清ん)
2008-04-21 23:36:42
iwashiさん、こんばんは!
嫌いな食べ物は青魚!
しいて食べられそうなのは秋刀魚ですかね。
生は無理そうだけどそっか攻略法は干物ですね。
干物で私もトライしてみます。
食わず嫌いなんですけどはまったらどうしましょ!?
ししゃもは好きなんですよ。
マヨネーズ&七味唐辛子をつけるのが大好きなんです。
今年中、いえ9月のお誕生日までにいわしの干物を克服してカルシウムUPで40歳のお誕生日をむかえます。
イワシは (Natsume)
2008-04-21 23:39:19
美味しいですよねえ...いかん...食べたくなってきた。スーパーでイワシの干物、探してみようかなあ...
(^^)
奇遇ですね (ぼぼぼ)
2008-04-22 01:02:35
今朝(昨日の朝ですが)、朝食にイワシの干物を食べました。けっこうよく食べます。美味しいですよ。

味がじゅわーって出てきますよね。
青い奴 (iwashi)
2008-04-23 01:25:02
清んさん!
ありがとうございます!
青魚苦手な人っているんですよね。
誰でも苦手なのありまs。
実は、僕もカレイのあんかけ(煮付け?)とか
あっち系(よくわかりませんが(^^;
の魚料理は実はちょっと苦手なのです。
イワシ、焼いて食べるのはちょっと
という方は、アンチョビ系で食して
いただくのがいいのかもですね。
ちょっと研究してみます!
いえいえ (iwashi)
2008-04-23 01:28:11
夏目さん

ナツメグだって美味しいじゃないですか~
って、実はよく知りませんが(笑
マジでイワシにかぎらず魚の干物、
健康にはいいですよね。
よりよい老後に備えて、今のうちから
食べる習慣つけといた方がいいいかもですね!
理想的! (iwashi)
2008-04-23 14:00:36
ぼぼぼさん

反応遅くてごめんない!
回答したつもりで失敗してました(笑

朝に魚の干物食べてるなんて、さすが、ぼぼぼ家の食生活は理想的ですね!
だからこそ、ぼぼぼさんのような賢くてよい子が育ったのでしょう(^^)/
これからもイワシ食べ続けましょう!

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