おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
8日ぶりの「カウンセリングはアート」シリーズ。その第12回目です。
古い実話を持ち出します。
大学の医学部の3年生から4年生に進めなかった青年が医師である親に背中を押されてカウンセリングにやって来ました。
主訴は、膨大な医学書を読まなければならないのに、集中力に欠けるため途中で電話をしたり、音楽を聴いたりしてしまったりし、勉強に身が入らないということでした。
私は彼に言いました。断言調です。
「あなたは集中力がないのではなく、散漫力があるのです!」
医学生は「散漫力」という聴き慣れない言葉に戸惑っていたので、私は続けて彼なりの集中力が続く時間を尋ねました。
すると、本を読み始めて30ほどすると、気が散ってしまい集中できないとのことでした。
勉強に集中できる時間は個人差があって、短い単位は15分、せいぜい30分、我慢して1時間のようです。
短い時間の15分は、テレビのコマーシャルまでの時間によって条件づけられています。
本来は、15分単位で変化を持たせなければならないのです。
私は彼に散漫力型勉強法を教えました。
机の真ん中に内科学の本を置いて読んでいたら、左側に産科学、右側に解剖学の本を置き、気が散るたびに違うジャンルの本を読むようにすればいいのです。
種明かしをすると、「あなたは集中力がないのではなく、散漫力があるのです!」と言い換えるのは、「リフレーミング」と言われる技法です。
簡単に言えば、視点(見方)を変えること。
詳しく定義すると、下のとおりになります。
ある人にとって短所、障害、悩み、危機というように考えたり、感じたりしていることは、視点(見方)を変えると、そのこと自体および、そのような体験は、実はその人にとって、長所、財産、可能性、好機なのだと発想転換すること
後日談です。
数年後、医師国家試験に見事合格したので、彼のお父さんは、「あの時の岩井先生のお陰です」と厚めに封筒に何かを入れて、報告にいらっしゃいました。
お父さんがお帰りになった後、封筒の中身を確かめると、1万円円札が5枚入っていました。
それから数年後、医師になった青年は私を結婚披露宴に招待してくれました。
そのご祝儀として私は、5万円を包みました。
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第1回目 2月10日
第2回目 2月11日
第3回目 2月15日
第4回目 2月21日
第5回目 2月23日
第6回目 2月27日
第7回目 3月2日
第8回目 3月3日
第9回目 3月6日
第10回目 3月15日
第11回目 3月20日
<お目休めコーナー> 3月の草花(17)
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