「取材戦国時代到来か?」―東国原知事と宮崎県政記者会、どちらもしっかり頑張りなさいよ!

2007年04月21日 15時29分58秒 | 政治
 宮崎県の東国原英夫知事と宮崎県政記者会の対立が続いている。知事は「定例記者会見」の必要性を感じていないようだ。取材者側からすれば、却って都合がいい。できれば、「黒板協定」も廃止すればよい。そうすると、どうなるか。
 県政記者会加盟の記者たちは、それぞれが競争相手なので、「特ダネ」を追いかけて、県庁当局の都合とは無関係に「隠密取材」を一層活発化させる。朝日、毎日、読売、産経、日経、宮崎などの新聞各社と、時事、共同の通信社、さらにテレビ各局などの加盟各社は、最低1人、多くて数人の記者を配置しているので、総勢数十人が、朝から夕方まで「ネタ」を探して県庁内をぐるぐる歩き回っている。その後、「夜回り」や「朝駆け」もする。「夜討ち朝駆け」である。県庁当局と県政記者会との間で「縛り」がなくなれば、記者たちが、他社を出し抜こうと懸命になるのである。そうすれば、県庁当局によるレクチャー漬けされて、「大本営発表」を間に受けて記事を書かされることもなく、日夜、追いまくられることはなくなる。その結果、どの新聞紙面も同じような記事ばかりということはなくなる。読者はどの新聞を開いても「官報」まがいの「面白くない記事」を読まされることはなくなる。
 東国原知事が、ここまで念頭に入れて、県政記者会に「喝」を入れたのであれば、報道機関にとっては、「沈滞ムード」を打破するキッカケとなり、喜ばしい限りである。県庁当局による「報道管制」から解放され、自由な取材を活発化させるチャンスとなるからである。その代わり、東国原知事はじめ県庁当局は、県政記者会加盟の記者たちの動きを把握しにくなることを、覚悟しなくてはならない。とくに東国原知事は、「何を書かれるかわからない日々」を送ることになり、枕を高くして眠れない夜を過ごすことになる。「権力者」と報道機関の関係は、本来、これくらいの緊張関係があるのが、当たり前の姿なのである。
 どこの省庁も都道府県庁も同じであるが、新聞各社やテレビ局は、「大本営発表」のような官庁ネタについては、時事、共同の通信社が配信する記事を使用すればよい。発表記事をよく分析して掘り下げ、そのなかから、「真の特ダネ」をつかむことができる。限られた戦力を「真の特ダネ」をつかむことに集中するなら、新聞各紙、テレビ局の報道内容は、面白くなるはずである。
 しかし、東国原知事が、ここまで考えているとは、思えない。「宮崎県のトップセールスマンになる」という心構えは悪くはないけれど、県知事は、単なる「観光知事」に止まってはいられない。所管する仕事は、ほかにも山ほどある。「納税率アップ」「犯罪者検挙率アップ」「交通事故死傷の減少」「医療・福祉の充実」「県庁内の腐敗防止」など、数え上げたらきりがないのである。県政記者会加盟の記者は、「記者クラブ」に常駐して、日々、東国原知事を「定点観測的」に監視し続けている。いわば「住み込み取材」しているようなもので、スポットで駆けつけるフリーのジャーナリストなどとは、この点が違うのである。「取材戦国時代」が、宮崎県庁から始まるとすれば、一読者としては、ワクワクしてくる。{赤勝て、白勝て}―東国原知事と宮崎県政記者会、どちらもしっかり頑張りなさいよ!
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