goo blog サービス終了のお知らせ 

日本の「子どもを犯罪から守るための対策」は、どこか他人事のような感じが強い。

2005年12月28日 23時50分00秒 | 社会
 広島県安芸区で小学校1年生・木下あいりちゃんが、続いて栃木県今市市の小学1年生・吉田有希ちゃんが殺された事件をキッカケに政府は、「子どもを犯罪から守るための関係省庁連絡会議」を設けるなどして対策に力を入れており、都道府県や市町村も「警戒体制」を敷いて、子どもたちの安全確保に懸命になっている。
 そのなかでさいたま市では、2006年1月10日から、市内の全小学校と市立養護学校(1校)の合計101校に警備員を常駐させることを決め、そのための予算として約7200万円が市議会で承認されている。大阪市では警備員1人が10校ずつ担当する「巡回警備」が実施されているが、全小学校での警備員常駐は全国14政令指定都市では始めてという。
 警備員は、防犯ボランティアと協力して定期的に通学路の巡回も行うという。
 だが、この「警備員」や「防犯ボランティア」などの配置に対して、早くも「手緩い」という批判の声が出ている。「警備員」や「防犯ボランティアだけでは、通学路のすべてに目を光らせるのは、不可能に近いからである。 批判には、「木下あいりちゃんも吉田有希ちゃんも、人通りの少ない通学路で犯行にあっており、被害にあわせないためにはスクールバスを運行するしかないのではないか」という声が少なくない。だが、政府の2006年度予算編成において、「スクールバス」配置を要求する声がほとんど聞かれなかった。
 現在、スクールバスを走らせている自治体では、新潟県加茂市が有名である。市長が、防衛庁教育訓練局長などを歴任した「セキュリティの専門家」だけに「子どもの安全」についても熱心である。 スクールバスは、アメリカでは常識になっており、「通学路での被害防止には、不可欠」とされている。これに比べると、日本人の「子どもを犯罪から守るための対策」は、どこか他人事のような感じが依然として強い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本列島全体を「地震に強い国土」にしていくことが焦眉の急

2005年12月26日 21時42分25秒 | 社会
 建築設計士の間でいま、「パンドラの箱が開けられたら大変なことになる」と囁かれている。
 耐震強度偽装事件が拡大し、建築物の耐震構造が強化された1981年(昭和56年)以前に立てられたビルやマンション約20万棟の大半が、「震度5」の地震に耐えられず、万が一、大地震が発生した場合、ほとんどが崩壊する危険があるからで、このことは国土交通省をはじめ建設・建設業界では、「公然の秘密」とされているという。なかでも、東京オリンピック開催(昭和39年10月10日)直前に突貫工事で建設されたビルのなかには「海砂利」を使用した粗悪なビルも含まれており、倒壊が確実視されている。
 今回、ヒューザーが建築主となったマンションが、「震度5」の地震に耐えられないということが判明して、地方自治体が居住者に「退去命令」を発して大騒ぎになっているが、これを基準すると、約20万棟の大半の居住者に「退去命令」を発令しなくてはならなくなってしまい、国土行政は、「前門の虎、後門の狼」の如く、自己矛盾を起こして立ち往生している。このピンチをどう切り抜けるかが、政府・与党の最大の難問となっている。いずれにしても、地震国・日本の耐震意識の低さが、今回の事件を生み出した元凶になっており、今後20年から25年の間に大地震が起きる可能性が高いと予測されているだけに、日本列島全体を「地震に強い国土」にしていくことが焦眉の急である。
 一方、全国建築設計事務所協会では今回、耐震強度偽装事件を引き起こした姉歯秀次・元一級建築士が、都道府県建築設計事務所協会ばかりでなく、建築士協会など業界団体のどこにも加入していなかったことを重視し、「もし業界団体に加入して研修を受けたり人脈を広げていたりしていれば、だれかが相談に乗ることができ、大事件にはならなかったのではないか」として「会員制度」の見直しを始めている。とくに建築設計事務所協会が、いま一級建築士の有資格者が「任意加入」となっているため、これを改め、一級建築士を「強制加入」してもらうことを目的とした法律改正を検討し始めている。現在は、任意加入であり、全国31万人の一級建築士のうち、都道府県の建築設計事務所協会に加入しているのは、約3割に止まっている。
 また、建築設計の業務のなかでは、「デザイン設計担当者」が主力で、「耐震構造」などにかかわる「構造設計担当者」の地位が低く、いわば「下請け的な存在」になっていることも、今回の事件の背景にあるとみて、「構造設計担当者」の地位の向上を図る必要があるとして、見直し作業を進めているという。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子供達に「人を見たら泥棒と思え」「殺人鬼と思え」「詐欺と思え」と教えよう

2005年12月20日 21時14分06秒 | 社会
「姉歯」関連で一斉捜索 1都5県、117カ所 (共同通信) - goo ニュース
 人は、騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか。常識的には、騙す方が悪い。だが、騙される方は、用心が足りないとか、よく調べなかったのかなどと、逆に咎められることが多い。
 最近は、様々なタイプの詐欺が横行している。「オレオレ詐欺」は、もうすでに古く、いまは、「耐震偽装」がもっとも新しいそうである。
 20日早朝から、警視庁、神奈川県警、千葉県警合同の捜査本部の捜査員500人が、「耐震偽装事件」で120カ所を一斉家宅捜索を行った。
 一体、だれが悪いのか。一言で言おう「騙された人」が悪い。「他人を疑うことを知らない」というのは、いまや罪悪ですらある。 子どもたちに教えよう。「人を見たら、泥棒と思え」「人から声をかけられたら、殺人鬼と思え」「人から何かを売り込まれたら、詐欺と思え」と。人を信じて、殺されたら、もう取返しがっかないのである。詐欺にあったら、損害を取り戻すのは、難しい。
 誠に可哀相ではあるが、詐欺犯罪の被害者に、いちいち国家が、税金を使って助けていたら、かえって、詐欺をはびこらせることになってしまう。
 どうも、今回の「耐震偽装事件」の主犯から教唆犯、幇助犯に至るまで、純粋な日本人の精神を持っていない連中がやらかしたそうである。
 幸田露伴の「五重の塔」に登場する職人たちの、まさに「職人魂」や「職人芸」からは、程遠い。本物の日本人であれば、このような「職人道」に反する「悪行」を行うはずはない。
 高価なものを買うからには、徹底的に「相手を疑い」、もし買うことを決めたなら、契約書に、「万が一」のことを想定して、しっかりと売手の財産を差し押さえることができるよう、条項を盛り込んでおかなくては、安心して売買はできない。このことを肝に命じておくべきである。退去命令を受けた被害者の方々には、冷たい言い方になるけれど、家宅捜索によって、捜査はようやく緒についたところである。先は、気が遠くなるほど遠い。
 とにかく「赤ずきんちゃん気をつけて!」


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地域で子どもを守れ!さいたま市で地域パトロール新制度が発足

2005年12月05日 13時12分26秒 | 社会
広島県安芸区の市立矢野西小学校1年生の木下あいりちゃん(7歳)の殺人、死体遺棄事件が、全国各地の教育関係者や父母を不安に陥れている。また、栃木県今市市では、市立大沢小学校1年生の吉田有希ちゃん(7歳)が殺害され、茨城県常陸大宮市で遺体で見つかった。痛ましい事件が続いている。
 平成16年には、奈良県で小学生の女児が殺害される事件が起きたのがキッカケになり、類似の事件が発生しないよう教育関係者は、警察とも協力して警戒を強めていたが、いずれも今回の事件はその盲点を突かれた形である。都市部でも、昼間に人通りがほとんどないという地域は少なくなく、犯罪誘発の原因にもなっている。
 小学生女児を狙う犯罪者から守る方策については、全国各地でいろいろと検討されてきているが、万全とは言えない。このため、さいたま市では、小中学校教師OBや警察官OBにとくに委嘱して、学校周辺や子どもたちの通学路などを定期的にパトロールしてもらう制度を新たに発足させ、平成18年度予算に人件費や制服制作(区ごとに色を変える)などの予算を計上し、本格的に活動を始める。すでにこれまでに委嘱されたOBたちが、ボランティアでパトロールを行っており、犯罪予防の効果を発揮しつつあるという。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

偽装設計事件、責任者はしっかりと責任を取れ

2005年12月04日 00時12分12秒 | 社会
経済設計、経済欠航、など、何かと「経済」が最優先にされ、合理性や効率性が重んじられている。
そのあげくの果てに、マンションが倒壊の聞きに陥り、大型フェリーがも就航もできず、多くの人々に不便を与えている。
コスト削減を徹底するのはよいが、飛行機のエンジンが火を噴いて、墜落してしまったのでは、どうにもならない。航空会社の「整備」や「検査」が手抜きでは、恐ろしくて飛行機にも乗れない。
そのくせ、官僚機構の抵抗が強いところは、相変わらず、非合理、非効率な組織を守ろうと、懸命である。
どちらも困ったものだが、どいつもこいつも「他人事」で知らぬ存ぜぬとネコをかぶっている。
このままでは、日本国中、「モラル・ハザード(道徳破戒)」は、とめどなく進行して、とんでもないことになってしまう。
そもそも「経済」という言葉の語源がよく分かっていない。「経世済民」「民を救済」しなくてはならないのに、民を苦しめているのでは「経済」とは言えない。
この際、責任ある連中には、全員、切腹してもらうしかなさそである。
さしずめ、国交相から率先垂範して、腹を切っていただこうではないか!
そして小嶋社長には、責任を取って、しっかり生きていただこう。
居住者を守るよう努力していただかねば困る。ましてや逮捕されても困る。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

個人情報保護法が公務員の不祥事を隠蔽するための「隠れ蓑」に悪用されている

2005年08月03日 22時30分36秒 | 社会
個人情報“過剰保護”、自治体で相次ぐ (読売新聞) - goo ニュース

読売新聞が3日付朝刊の1面トップで、「個人情報〃過剰保護〃」「自治体で相次ぐ法の趣旨逸脱」「懲戒教員匿名に 天下り先非公表」という見出しをつけて報じた。これに関連して、34・35面(社会面・対社会面)、関連特集11面で詳報を掲載している。 読売新聞は、4月の個人情報保護法全面施行を受けて、全国の総支局を通じ、5月末から6月初めと7月前半の2回、調査したという。
 この結果、「地方自治体が幹部の再就職先を本人の同意がなければ公表しないよう変更したり、懲戒免職にした教職員の実名発表をやめたりするなど、各地で過剰反応や個人情報とは言えない情報を提供しない事例が相次いでいることが分かった。同法の趣旨を取り違えた『匿名社会』が、広がりを見せている実態が浮かび上がった」という。日頃から「どうもおかしい」と感じていることが、ここまで詳しい調査結果が報道されて、「やっぱり」という思いであり読売新聞のこの調査を賞賛したい。
 基本的人権という「個人法益」を守るためには、個人の尊厳、個人の人格、プライバシー、あるいは肖像権などがしっかりと保護されるのは、当然である。
 だが、中央省庁、都道府県・市町村などの「公的機関」は、どうも「役人保護」のために、この個人情報保護法を利用している傾向が濃厚である。「個人の保護」を「公務員の保護」にすり替えているともいえる。公務員も国民の一員であるから、個人情報が保護されるのは、当たり前だが、「官職」に関連した情報まで保護の対象にして、都合の悪いことは、この法律を隠れ蓑にして何でも隠そうとするのは、言語道断である。
 身近なところでも、「おかしい」と感じられることが現実に起きている。たとえば、ある知人が、大分県医務課に県内のある医療法人の理事長、理事、監事の役員構成について問い合わせたところ、「公益法人の理事長以外の役員については、個人情報に当たるので公表できない」との理由が説明され、文書として開示されたのは医療法人となっている病院名と住所と理事長の名前で、理事などの役員の名前は、すべて黒く塗り潰されていたという。
 確かに医療法人は、「公益法人」の一つである。だが、「商品交換社会」という経済社会においては、「公益法人」も医薬品や医療機器などを購入するなど経済活動に関わっている。医療法人を代表している理事長しか取引に関われないということではない。理事が交渉事などに関与することがあるかもしれない。その場合、取引の相手から見て、本当にその医療法人の理事であるのかどうかを確かめられなければ、安心して取引の交渉に当たることはできないだろう。株式会社の謄本を法務局で取れるのは、ひとえに「取引の安全」を確保するためである。商品交換社会において、営利目的の株式会社と公益目的の医療法人との間に違いがあっていいはずはない。 この医療法人に関しては、理事本人が、「知らないうちに理事を外されているのではないか」と疑い、自分自身のことを確かめようと思って、大分県医務課に情報開示を求めたところ、拒否されたという話もある。ウソのような本当の話である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

関東大震災は絶対に起きるとの予感がするなかで、自分の身は自分でしか守れないことを自覚しよう

2005年07月24日 22時38分02秒 | 社会
東京・足立区で震度5強 1都3県で27人けが (朝日新聞) - goo ニュース
 
 「関東大震災は、必ず起こる」
 このことを思い知らせてくれたのが、23日午後4時ごろ発生した千葉県北西部を震源とする地震である。東京都区部で「震度5強」、東京、埼玉、千葉、神奈川で「震度5弱」だった。
 さいたま市内で地震を受けたが、このとき「いよいよ来たな」という感じで、案外に冷静に受け止めることができた。昨年10月23日の中越大地震のときの揺れの方が大きく、余震が続いたので、怖かったくらいである。
 関東大震災が大正12年(1923)9月1日に発生して、もう「82年」の時を経ようとしており、「もうそろそろ関東大震災が起きてもおかしくない」と巷で盛んに喧伝されていることもあり、心構えだけはできている。
 本当に起きたら都内だけでも何十万人もの人が死ぬと予測されており、「この員数のなかには入りたくない」と願いつつも、その危険が皆無ではないと考えると、やはり他人事では済まされず、どうしても真剣にならざるを得ない。
 幹線鉄道がストップして、都内の各駅は、足止めされた乗降客でごった返した。それにしても、今回の地震が、「土曜日」に起きたのは、何よりの幸いであった。帰宅客がドッと各駅を利用する「夕方のラッシュアワー」だったら、もっと大混乱したに違いない。
 高層、中層ビルでは、エレベーターがストップして、閉じ込められた人も少なくなかった。これらの現象から、大都会・東京がいかに脆い都市であるかが、改めて実証された。
 東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を移り住んだ極限られた経験からではあるが、どこら辺りが危ないかは、大体予測がつく。
 東京都の葛飾区や江戸川区辺りの地下深くに「震源地」があると言われており、直下型の大地震が起きると、ひとたまりもないだろう。もう30数年も前になるけれど、地下鉄東西線の車中から窓の外を眺めていて、ゾッとしたことがある。海辺に近い、湿地帯で行われている高層マンション建設の風景に漠然と見惚れていて、地盤がいかに弱いかを見せつけられた。更地に打ち込まれるパイルが、ズブ、ズブと地中に入っていく。1つの場所に1本では危ないと思われたのか、3本くらいを束にして打ち込んでいるような感じを受けた。おそらく、この辺りは、大被害を被るに違いない。
 政府は、関東大震災の発生を予見して、「首都機能移転計画」に熱心に取り組んでいた時期があるが、いまは、すっかり忘れられているような感じがする。東京都の石原慎太郎知事は就任以来、首都機能を地方に移転されては東京が衰退するという危惧から、「首都機能移転反対」の運動を展開してきている。だが、こんな悠長な考えでいいのか改めて疑問が沸いてくる。
 のんびりしているのは、石原知事ばかりでない。小泉首相は、郵政民営化関連法案を参議院本会議でいかに成立させるかに、頭がいっぱいのようである。「震度5強」の地震が発生した場合、直ぐに「対策室」を立ち上げなくてはならないことになっているのに、これが大幅に遅れたようである。政治家たちは、大地震よりも、いまは郵便局の命運の方が大事らしい。
 最近、東京駅周辺や汐留などで高層ビル、高層ホテルなどが競って建設されている。耐震性に十分配慮し、しっかり計算して建設されているというけれど、本当に大丈夫だろうか。
 さいたま市では、JR大宮駅隣接の新都心一帯や浦和駅や武蔵浦和駅などで、高層マンションが建設ラッシュ状態にある。建設されていく姿を見るにつけ、「大地震が起きたら、どうなるのだろうか」と他人事ながら、心配になる。もしもビルが倒壊でもしたら、こちらも被害を受けないわけにはいかないからでもある。
 3年くらい前になるが、ある金融機関のシンクタンクの研究員の方が、こう言っていたのが思い出される。
 「これからいつ大地震がきても大丈夫なように、決して高層マンションに住んではいけない。むしろ、中古でもいいから、一戸建てを買うことを勧める」
 外資系の不動産投資信託会社の営業マンが、もっと恐ろしいことを言っていた。
 「外資系が東京都内の一等地をどんどん買い占めては、高層ビルを建てるのは、関東大震災の発生を予測しているからだ。地震で高層ビルが倒壊したら、二度儲けられると計算している」
 どうも、日本人は、外資系の不動産投資信託会社などの投資家に「カモ」にされているようである。
 大震災が、確実に近づいてきているとの予感がする以上、それなりの対策を講じておくべきであるが、それがいつ何時にくるかが正確にわからないのが、不幸であり、幸福でもある。
 「震災は、忘れたころにやってくる」
 最終的には、自分の身は自分で守るしか手はない。身勝手ながら、何はともあれ、自分だけは絶対に助かることを願いつつこの言葉を忘れないようにしたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「法の華三法行」福永法源被告に懲役12年の判決、詐欺教団に騙されないよう気をつけよう!

2005年07月16日 23時21分23秒 | 社会
「法の華三法行」元代表、福永被告に懲役12年判決  (朝日新聞) - goo ニュース

 東京地裁の青柳勤裁判長は15日、詐欺罪に問われている宗教法人「法の華三法行」(解散)の元教団代表・福永法源被告(60)に懲役12年(求刑13年)、元教団責任役員・前沢あけみ被告(41)に懲役4年(同6年)の判決を言い渡した。
 青柳裁判長は「相談に訪れた人の不安をあおり立て、宗教の名の下に金銭的欲望を満たそうとした」と判決理由を述べている。
 「最高ですか~」と演壇から信者たちに向かって大声を張り上げていた光景が、テレビ映像に映し出されていたのが、いまなお鮮明に思い出される。
 医師でもないのに「足裏診断」と称して病気を診断したり、「お釈迦様の骨、仏舎利と称して、サンゴに法外な値段をつけて信者に買わせたり、富士山麓に豪華な宗教施設をつくり、世間を驚かせたりと、話題に事欠かなかった。
 福永被告は、山口県にある小さな宗教団体の信者から宗教活動にかかわるようになり、「出版型の宗教団体」が多くの信者を増やして繁盛しているのに目をつけてマネをしようと思いつき、「法の華三法行」と称する宗教団体をつくり、東京都内の出版社から自費出版で出した本をツールにして布教活動を展開し、病気などに悩む人々を信者にして行った。同じような手口で教団を増殖させたのが、「オウム真理教」の麻原彰晃であった。こちらは、「サリン」によるテロ事件を起こして、何の罪もない多くの市民を殺傷して、アメリカからは、「国際テロ集団」に認定されている。一方、やはり「出版型の宗教団体」でありながら成功しているのは、「幸福の科学」である。
 教義を伝播させて多数の信者を獲得する近道が「出版」にあるというのは、グーテンベルクが印刷技術を開発し、これをフルに活用したプロテスタントが「聖書」の普及して実証している。「聖書」は永遠のベストセラーズなのである。出版は、人々をマインドコントロールにかける有力な武器なのである。
 しかし、印刷技術を活用するのはよいとしても、「悪用」されては困る。福永法源被告は、その最悪な見本である。
 個々の人間というのは、精神的には弱いものである。「四苦八苦」(「生老病死」「愛別離苦・求不得苦・怨憎会苦・五陰盛苦」)悩まされるのが、人間であり、宿業ともいえる。
 この弱みに付け込むのが、「金銭・財産目当て」の悪徳宗教家である。不幸を感じている人は、大金をはたいてでも、そこから何とか逃れようとする。「苦」から解放されて、「楽」になれれば、大金など安いものだと考えてしまう。どこから仕入れてきたのかわからないような「サンゴ」を売りつけられて、ついつい買ってしまうのである。伝統的な宗教団体でも、「供養」や「戒名」「墓地」などに高い値段をつけて信者や檀家から大金を巻き上げている。僧侶は、信者の懐具合を推し量りながら、勝手に釣り上げる。この世界では、「定価」というものがないからである。
 また、やはり伝統的な宗教団体のなかには、僧侶の本務を信者に押しつけて、「新しい信者」の獲得に専念させている者も少なくない。僧侶から説法のなかで、繰り返し繰り返し「信者を増やせ」と言われれば、「地獄に落ちたくないから」とか「信者を増やせば、罪業を切れるから」とか思い込んで、自分の仕事や家庭をそっちのけで、信者獲得に熱中し、なかには、身代を食いつぶしている信者もいるのである。
 福永法源被告に対する判決を読みながら、一つの教訓が脳裏に浮かんできた。それは、「三井財閥」の創業者である三井高利の遺訓を家法の基本とすべく書き残した、高利の子・高平(宗竺)の遺書である。その一節にこう書いている。
 「一 仏神を敬い儒学を心掛け候事は人道に候。しかれども、いずれにても過ぎ候えば、身の家業をおこたり、おのずと異形の人のように罷り成り候。仏に志し過ぎたるものは出家のごとく、神道にたより候えば、禰宜・巫のようになり、儒者は利に屈し、人をあなどる。おのずと商売うとくなり、家滅す。各それぞれの行作あり。しかるに外の事に気を移し、代々の家職疎略に致し候事、仏神の妙慮に叶うべき哉。また仏神のために金銀財宝をなげうち、莫大の費え致し候事大きなるひが事と存じ候。仏神はその人の心にあり。しかるを金銀出して善を調え候ようなる事はあるまじく候」
 こう言いながら、三井高利は、実に信仰心の厚い人で、自分で寺を建てて、仏を供養し、祖先を尊崇していた。大変、タメになる遺訓である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「北海道・知床」の自然遺産登録が決定、人類の貴重な財産「世界遺産」を大事にしよう!

2005年07月15日 23時12分41秒 | 社会
知床、世界自然遺産の登録決まる (読売新聞) - goo ニュース


 ユネスコの第29回世界遺産委員会が14日、「北海道・知床」を「世界自然遺産」への登録を決めた。日本の自然・環境・文化遺産のうち12の遺産が「世界遺産」に登録されており、自然遺産は、屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田両県)に次いで3件目である。「北海道・知床」は、かねてから「推薦」されていたが地元の熱意も伝わり、ようやく念願が叶った。誠にめでたいことである。
 世界遺産に登録されている日本の自然・環境・文化遺産は、以下の通りである。
 ①白神山地
 ②日光の社寺
 ③白川郷の五箇山の合掌造り集落
 ④古都・京都の文化財
 ⑤古都・奈良の文化財
 ⑥法隆寺地域の仏教建造物
 ⑦紀伊山地の霊場と参詣道
 ⑧姫路城
 ⑨広島の平和記念碑(原爆ドーム)
 ⑩厳島神社
 ⑪屋久島
 ⑫琉球王国のグスク及び関連遺産群
 このほか、暫定リストに登録されているのは、武家の古都・鎌倉(神奈川県)、彦根城(滋賀県)、平泉の文化遺産(岩手県)、石見銀山遺跡(島根県)である。
 しかし、日本国民の大半が登録を願っている「富士山」は、ゴミによる汚染がひどく、世界遺産登録が認められていないという冷厳な事実に対して、国民は、深く反省し、「環境破壊」をどう防ぐかをしっかり考え、行動に移していく必要がある。「マナー」を守り、ゴミ拾いにも積極的に参加していかなければ、日本の象徴的な存在である富士山は、永久に自然遺産として登録されることはないであろう。
 だから、世界遺産に登録されるということは、並大抵のことではないという思いを深くするとともに、登録されてからがもっと大変であるとの自覚を持たねばならない。つまり、北海道・知床にしても、単に喜んでばかりはいられないのである。
 世界遺産に登録されれば、登録そのものが生む価値の大きさからいろいろな「ビジネス」が発生することが期待される。それぞれの地域の「歴史と文化」を「町・村起こし」に活かせるからである。 世界遺産に登録されたところでは、いろいろな行事が催され、多くの観光客を呼び込んでいる。
 たとえば、「白神山地」では、「ぶなの学校」を開催、林間学校、修学旅行の誘致、地元ガイドがトレッキング・登山を先導。白神山地の歴史など山を知り尽くした達人の話に耳を傾ける。ブナの森のふところに抱かれた「五能線沿線」の町村が観光誘致。「第2回世界自然遺産会議」(主催:第2回世界自然遺産会議実行委員会・青森県、開催場所:弘前市、鯵ヶ沢町、深浦町、西目屋村、開催時期:平成17年10月15日~17日)
 「白川郷の五箇山の合掌造り集落」では、白川郷の五箇山の合掌造り集落、建築学上の構造解明。これに感嘆している観光客が続々と訪れている。
 「厳島神社」では、厳島神社の舞台の建築学上の構造解明(筏方式の舞台と先人たちの智恵に感嘆!)、参道やのお土産物店、飲食店などで世代交代し、若い世代が店舗を近代的に改装、観光客へのサービス精神を旺盛にしている。
 その半面、観光誘致や観光客がもたらす「マイナス面」にも、用心していく心構えが大事になる。
 たとえば、最近、屋久島の縄文杉の一部が、何者かの「悪質なイタズラ」によって削られたり、白神山地のブナの森にペットボトルや空き缶が捨てられたりして、大事な遺産が損なわれる事態が発生している。熊野古道では、林業を営む所有者が、「勝手に遺産登録されて営業妨害されている」などと木々や岩などに赤いペンキを塗って抗議する騒ぎが起きている。これは山林地主への配慮を欠いたのが原因で、行政がすでに反省と謝罪をしている。「世界遺産に登録されたい」と焦り、地元への十分な配慮と補償措置を欠いたための失態である。何とか善処して欲しいものである。
 自然・環境・文化遺産は、人類の貴重な財産だ! 大事にしようではないか!


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

常態化している「犯罪の低年齢化」を一刻も早く食い止めるには「徳目教育」が不可欠である

2005年07月01日 22時49分36秒 | 社会
長崎誘拐殺人から2年、被害男児の父親が手記 (読売新聞) - goo ニュース

 長崎市の中学生による幼児殺害事件が起きてから丸2年になる。この事件の記憶がまだ新しいうちに、同じ長崎県の佐世保市で、毎日新聞社佐世保支局長の一人娘の小学生が、女子の同級生に刺殺される事件が発生しており、「犯罪の低い年齢化」という言葉が、すでに常体化し、小学生や中学生、高校生による凶悪犯罪が後を絶たない。
 6月30日には高知県土佐市の私立明徳義塾高校(吉田圭一校長)で3年生の少年が同級生をナイフで刺す殺人未遂事件が起きた。 少年が開設しているホーム・ページに「明日こそは殺そう」など書き込まれていたという。数日前、校内で身体が触れたことから口論になり、悪口を言われるようになったことへの恨みらしい。
 山口県光高校3年生が隣のクラスに火炎瓶を投下、東京都板橋区の高校1年生が父を撲殺、母を刺殺したうえ時限爆弾を爆発、福岡県では弟が兄を刺殺するなど少年による凶悪事件が多発している。 「イジメへの仕返し」「父に馬鹿にされた恨み」など感情的なもつれが原因だが、バーチャルな世界で殺人ゲーム遊びに熱中し、現実の生死が区別ができず、感情を抑制できない少年が増加している現状がある。これからも似たような事件が発生する可能性が高く、警察や教育関係者を悩ましている。
 いま考えてみても、長崎市の中学生による幼児殺害事件は、言葉に詰まるほどである。12歳の中学生は、4歳の子どもを駐車場の上から突き落として殺した。しかも、幼児の男性器をナイフで切り落としており、幼児は、絶叫したそうである。
 大人であれば、無期懲役か極刑を免れない大事件であるが、14歳未満ということで、刑法では罰せられない。この中学生は犯罪者として扱われない。被害者は「殺され損」であり、遺族の無念さは想像に絶する。
 この事件は、
 ①犯人である中学生の両親が離婚し復縁した経緯が起因し「人格形成過程」に何らかの影響を与えている。
 ②母親が、一人っ子である犯人を溺愛しすぎ、忍耐力をつける訓練を怠った。
 ③ゲームに熱中し仮想現実と現実との境界があいまいになった。 ④犯人は、ふざけ合ったり、冗談を言い合ったりする友人がいなかったため、自分より弱い幼児に興味を持ちすぎた。
 ⑤子どもから大人に移る際、身体と精神のバランスが崩れ、性的サディズムに陥った。 などの原因が考えられる。
 幼児が犠牲になった事件といえば、埼玉県内では、かつて「宮崎勤」による幼児連続殺人事件が起きており、未だに記憶に残っている。宮崎勤事件の後に、「サカキバラセイト」事件、大阪教育大学付属池田小学校事件などが起きている。
 今回もこの事件がキッカケになり類似の事件が再び起きないとも限らない。犯罪というのは、「伝染」し「模倣」される性質を持っているからである。

〔少年犯罪の兆候を見逃さない〕
 当面は、こうした犯罪が地域社会で発生しないように、警察はもちろん、地域住民も一緒になって警戒を強めなくてはならない。
 犯罪には、必ず「兆候」あるいは「前兆」というものが現れますから、どんなに「ささいなこと」でも見逃さないようにする必要がある。
 「落書き」も「兆候」の一つです。アメリカ・ニューヨークのジュリアーニ前市長は、犯罪撲滅に立ち上がったとき、真っ先に街角のあちこちに書かれていた「落書き」を消すことから始めて、大成功したと言われている。街が汚れれば、犯罪を誘発し、街がきれいになれば、犯罪が少なくなるという法則を実証してみせてくれたのである。

〔埼玉県内で街頭犯罪が倍増〕
 また、埼玉県内でも、街頭犯罪五種といわれる自転車盗、オートバイ盗、自販機荒し、ひったくり、路上強盗事件が平成十四年には六万五七二八件発生しており、これは全刑法犯の三七%、十年前の一・二倍になっている。このうち、とくに自転車盗、オートバイ盗は高原状態、ひったくり、路上強盗は、激増状態だそうである。街頭犯罪五種は、少年犯罪が主体であるというのも問題である。

〔町内での声かけが防犯に効果的〕
 少年非行というのは、「初発型非行」といわれる自転車盗、オートバイ盗から、自動販売機荒し、あるいは、ひったくり、路上強盗へと進行・悪化する傾向があるので、少年犯罪は早い時期に芽を摘み、凶悪な犯行に走らせないようにすることが大切である。
 住宅地では、ピッキングなどによる窃盗が急増しており、強盗・殺人事件に発展する危険もある。こうした犯罪を防ぐには、ご近所どうしが、挨拶を交わしたり、町内で不審な人物を見かけたら、やはり声をかけて見ることも効果的である。泥棒は、声をかけられると大体が、犯行を断念するそうである。地域住民が、共同体意識を持ち、「安全・安心」な街づくりに力を合わせていくように心がけよう。

 ちなみに、こんな痛ましい殺人事件が連続している原因の一つは文部科学省による戦後の教育行政、とくに「初等中等教育」に重大な欠陥があるからではないかと考える。
 賛否はあろうが、「徳目」を小学生のときからしっかりと叩き込むよう現場の教師を指導してこなかった責任は、極めて大きい。
 異論はあるだろうが、やはり「教育勅語」が戦前に果たした教育効果というものを再評価すべきではないか。明治天皇が勅令によって臣民に発せられたのが、「教育勅語」ではある。明治天皇が学校現場に行幸されたとき、児童生徒が、わけもわからず英語を勉強し知育に偏重していることを憂慮され、「徳目」の大切さを痛感されて、「教育勅語」の作成を文部省に命じられたという。
 形式はともかくとして、この「教育勅語」には、儒教とフランス革命精神とが混在していることに目を向けよう。

「教育勅語」
朕惟ふに我か皇祖皇宗国を肇むること宏遠に徳を樹つること深厚なり我か臣民克く忠に克く孝に億兆心を一にして世々厥の美を済せるは此れ我か国体の精華にして教育の淵源亦実に此に存す爾臣民父母に孝に兄弟に友に夫婦相和し朋友相信し恭倹己を持し博愛衆に及ほし学を修め業を習い以て知能を啓発し徳器を成就し進て公益を広め世務を開き常に国憲を重し国法に遵ひ一旦緩急あれば義勇公に奉し以て天壤無窮の皇運を扶翼すへし是の如きは独り朕か忠良の臣民たるのみならす又以て爾祖先の遺風を顕彰するに足らん斯の道は実に我か皇祖皇宗の遺訓にして子孫臣民の但に遵守すへき所之を古今に通して謬らす之を中外に施して悖らす朕爾臣民と但に拳々服庸して咸其の徳を一にせんことを庶幾ふ
                  明治二十三年十月三十日
  御名御璽

 この教育勅語の「父母に孝に兄弟に友に夫婦相和し朋友相信し恭倹己を持し」は、儒教の教えであり、「博愛衆に及ほし」は、フランス革命時の「自由平等博愛」の「博愛」である。
 「学を修め業を習い以て知能を啓発し徳器を成就し」は、やはり儒教の教えを反映している。
 「常に国憲を重し国法に遵ひ一旦緩急あれば義勇公に奉し以て天壤無窮の皇運を扶翼すへし」は、近代国家である「国民国家」の国民(臣民)であれば言わずもがなの当然の義務である。とくに国土防衛は「民族の生存」のためには、不可欠の義務であることは、言うを待たない。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする