一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1294   梅雨空に「9条守れ」の女性デモ   作者不明

2014年08月10日 | 

  さいたま市大宮区の三橋公民館が、毎月発行する公民館だより7月号の俳句コーナーに、公民館で活動するサークルが選んだ憲法9条を題材にした市民の俳句掲載を拒否した.

 現代の行政による言論統制が、それも小さな一地方公民館によって露見した。国民を恐怖に震えさせた言論統制、言論弾圧、秘密警察による密告奨励や逮捕、拷問など、戦前の国家統制が想起される。日本は危ない。

キョウチクトウ(夾竹桃)

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1293   戛戛と戦近づく盆の月

2014年08月09日 | 

(かつかつと いくさちかづく ぼんのつき) 

 広島・長崎に原爆が投下され、その数日後に終戦となって、69年経った。あと十数年すると、原爆や戦争を知る者がこの世から全くいなくなるだろう。

  この平成の世には、絵空事とはいえ暴力や殺人の映画が氾濫し、又実際に発生した殺人事件のニュースが面白半分に報道されている。

  さて、江戸時代265年の平和は、アメリカの黒船によって破られた。その後の日本は、日清、日露、第一次、第二次世界大戦とあくなき戦争の時代へ突入していった。

  そして既に「戦前が始まっている」という説さえあるが、この「平成の平和」は、一体何によって、誰によって、どこの国によって破られるのだろうか。

  今日は、旧暦7月14日、明日が旧暦の(正式な)お盆である。残念ながら台風が接近していて、日本全国ほとんど月は見えないだろう。

オニユリ(鬼百合)

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1292   秋立つや癌病棟の静けさに

2014年08月08日 | 

 太陰太陽暦は、四千年前から中国の黄河流域で使われていたものが、六世紀後半に朝鮮半島から日本に伝来し、公式に使われ始めたそうである。その後、中国との間に2日の誤差が生じたため数回の修正を試みるなどし、天保十三年(1842年)に、天文学的にも世界で最も正確な太陰太陽暦となったそうである。

 ところが明治五年、欧州から開国をせまられた新政府は、「明治五年十二月三日を以って、明治六年一月一日とする」という太政官布告を出し、突然この国の暮らしを太陽暦に変更したのである。以来、自然と共にある祭りなどの伝統行事や、農業・漁業・林業等が混乱をきたし続けている。

 さて昨日、友人のお見舞いに行ってきた。以前私は、やはり癌になった先輩のお見舞いに行き損ねた苦い経験がある。先輩に何を話そうかと思い悩んでいるうちに、死んでしまったのだ。だから、今回は悔いのないよう話してきた。放射線治療をしていて、予想よりずっとお元気だった。退院できそうなのである。

オオマツヨイグサ

 

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1291   暫くは蓮一面に身を包む   鞠

2014年08月06日 | 

(しばらくは はすいちめんに 身をつつむ)

 この句は、意味はよく分かるが、「てにをは」がおかしいのではないか。つまり「蓮一面に」の「に」と「身を包む」の「を」である。そこで

蓮一面暫くは身を包みけり→

一面の蓮暫くは身を包む→

一面の蓮にしばらく包まるる

こう変えてみて、分かった。「てにをは」ではなく、問題は「包む」であった。「身を」はいらない。

暫くは蓮一面に包まるる 

ベゴニア

 

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1290   梔子が匂ってますでしょ野里女言う   さくら

2014年08月05日 | 

(くちなしが におってますでしょ のりじょいう)

 この句は、句会場の庭で、句仲間の野里女さんの言葉をそのままに作った句だという。野里女さんは、とても上品な物言いをする方です。

 さて、この句で「野里女言う」という呼び捨てが気になる。名前は、他の誰でも構いませんが、ここは誰かに呼びかけたことにしましょう。例えば

 梔子が匂ってますでしょissyoさん

 

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1289   あの夜も海を照らして遠花火  沙会

2014年08月04日 | 

 真鶴半島の知人の家からは、湯河原、熱海、伊東、初島が一望である。当然、この時期は花火大会がかなりあるから、海越しに遠花火を見ることができる。

 半島の先端の三石は、恋人たちの逢引に絶好の景勝地。花火の夜ともなれば、きっと賑わっているに違いない。「あの夜」などという思わせぶりなこの句から、私も遠い日の「あの夜」を思い出してしまった。

 

 

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1288   簡単服の少しおどけし妣の顔   佳津

2014年08月03日 | 

(かんたんふく のすこしおどけし ははのかお)

  簡単服といえば、現在BSプレミアムでやっている再放送の「カーネーション」を思い出す。大正、昭和初期に流行った簡単なデザインの、婦人用の夏物ワンピース。あっぱっぱ。

 「妣・はは」は、既に亡くなった母親のこと。作者は、古い写真を見ているのだろうか。少しおどけた母親が、薄茶けた写真の向こうで笑っている。作者は、きっとその母に抱かれているのだろう。

オトメユリ

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1287   やはらかに聞く耳欲しや冷奴   喜久

2014年08月02日 | 

 いつだったか、仕事場に訪ねてきた初対面の女性のお客さまにお茶を出したところ、突然「私、離婚したんです」と切り出された。驚いたけれど最後まで話を聞いた。彼女は、ご主人のこと、息子さんのこと、離婚のいきさつなど様々なことを1時間ほど話して、帰って行った。

 1週間ほどすると、彼女は再びやって来て、昔やっていたという陶芸や文章教室のことなども話したが、結局最後は離婚の話に戻るのだった。

 さて、3回目の訪問があった。その時も結局最後は離婚の話になった。私は、「その話は、もう聞きました。人と話をするときは、楽しい話をしましょう。あなたにだって、楽しかったことは沢山あったでしょう。そういう楽しい話をしてくれませんか。離婚の話は、聞いた人が不愉快になるだけなんですよ」などと余計なことを言ってしまった。それから、彼女はパタッと来なくなった。

アガパンサス

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