土木のしごと - (有)礒部組現場情報

地域のためにはたらき、ふつうの暮らしを支える人たち。(有)礒部組とその仲間たちのたのしくゆかいな面々。日々是土木。

勝手にICT林道工(組み合わせ編)

2023年01月10日 | 森林管理道開設事業島日浦線工事

 

 

 

杭ナビショベルを使ったマシンガイダンスによる「勝手にICT林道工」も三度目ともなれば

かつては想像もつかなかった丁張りが見当たらない切土作業も

ごくごく当たり前の景色となって現場になじんでます。

 

バックホウを操るオペレーターも手慣れたもんで

一度目より二度目

二度目より三度目と

その段取りが進化してます。

 

たとえば従来は

山切りがすっかり完了しないと始めることができなかった側溝の床掘り作業も

今回は最下部の切土と同時に粗掘削を行うように。

 

 

 

 

 

切土と床掘りの3次元データがあらかじめ機械にインプットされてるので

完璧に順序立ててやらなくてもよいわけですよね。

考えてみればコレ、

ごくあたりまえの道理なんですが、

従来の方法に固執してアタマがガチガチになってると

そこに気づくことができないんですよね。

 

だから何よりよいなぁと感じるのは

これが

コチラがああせよこうせと指示したり

ああしてこうしてとお願いしたりするんじゃなく

重機を操るオペレーターが自分でそれを判断して仕事しているってところ。

 

ちいさなハッケンかもしれないんですが

そういうことの積み重ねが仕事のカイゼンにつながっていきます。

あと

その上で大事なのは

その「ハッケン」と「会得」を社内に展開していくこと。

それができれば

個のカイゼンが

組織全体のカイゼンにつながります。

 

って

そんなことは

デキる人やデキる組織にとっては当たり前のことなんでしょうが

ウチのような凡人の集まりではこれがなかなか簡単じゃない。

(あ、当然わたしもその中に含まれてますからね。凡人です)

 

な~んてことを思いながら

毎朝の現場報告を聴いてると・・・

 

 

 

 

作業は床掘りの仕上げへと移り・・・

ここではミニバックホウに搭載した杭ナビショベルを使ってます。

 

ちなみにこの作業

ちまたには

ミニに特有のアームのスイング機能を用いたときに

ナビゲーションできなくなってしまうという欠点があり

実用的じゃないという意見があふれてますが

使い方次第では今のままでもじゅうぶん効果が生まれます。

(でなきゃ、いくら使って使ってと勧めても現場で使ってくれませんもんね)

 

重機のあとを追いかけていくのが「快測ナビ」による位置出し。

いわゆる「どこでも丁張り」です。

 

 

 

 

ここではじめて丁張りが登場します。

急な縦断勾配とキツイ曲線半径の道路に

プレキャスト水路を据え付けていくには

やはり丁張りが必要です。

 

いやあ~やるもんだ \(^o^)/

 

複数の新技術や従来手法をつなげて「組み合わせ」る。

そのことで価値を高め

さらにそれを自分たちのものにしていってるチームに

拍手なのです 

 

(みやうち)

 

 

 

 

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ちいさな橋

2023年01月09日 | 奈半利町発注工事

 

奈半利港に直接流れ出る小河川は

奈半利町内にいくつかありますが

そのなかでも代表的なのが

奈半利のてっぺん米ヶ丘を源流とする長谷(ながたに)川。

 

その長谷川にかかる3つの橋を

補修と補強をして長持ちさせる工事がはじまりました。

3つの橋とは

上流から順に

長谷川橋

長谷橋

天神橋。

下の画像のような位置関係です。

 

 

 

 

まず手始めは

国道55号にもっとも近い長谷川橋の

ブロック積み護岸を取り壊す作業から。

 

 

 

 

 

 

 

縁端拡幅(えんたんかくふく)工のとっかかりです

「えんたんかくふく」工というのは

橋げたが乗る台座を広げ

地震が起きた際に

橋落ちるのを防ぐための工事の呼び名です。

橋げたが乗る台座のことを

沓座(しゅうざ)とも呼ぶので

沓座拡幅工

と呼ばれることもありますが

今回の設計図書では

縁端拡幅工

となっています。

 

 

 

 

 

 

ところで

日本全国における

建設後50年を経過した橋の割合は

2021年3月末時点で約32パーセント、

10年後には約57パーセントに増えると言われています。

 

(『日本の橋梁の現状』令和4年8月国土交通省中部地方整備局、より)

 

またその他に

建設した年が不明の道路橋が全国で約23万橋あり

これらの大半が市町村管理の橋長15メートル未満の

ちいさな橋だそうです。

 

わたしたちが

ふだん何気なく通っているちいさな橋。

時には

橋を通っているという感覚すら受けないぐらい

ちいさな橋は

ふつうに

あたりまえに

日本全国津々浦々にたくさん存在しています。

 

それらを補修補強して

長持ちする橋に変身させる。

地味でちいさな仕事ですが

今という時代の日本にとっては

必要で欠かすことのできない

大事な仕事です。

 

そして

けっしてどまんなかストレートではありませんが

今という時代の土木では

必要で欠かすことのできない

大事な仕事です。

 

世のため人のため

ちいさなことからコツコツと

がんばりましょう!

 

(みやうち)

 

 

 

 

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ためる事務員

2023年01月06日 | 奈半利川河川災害復旧工事

 

 

 

奈半利川河川災害復旧工事

始まりました。

洪水により壊れた護岸を

ブロック積みであらたにつくり直す工事です。

 

あ、そうそう

これにさかのぼること約2週間前のことです。

先月の社内安全パトロールで

着工前のこの現場に寄りました。

 

 

 

 

 

現場に設置された床掘の丁張りを見た事務員さん。

何を思ったか

3本あるうちのイチバン下流の丁張りを

上流に向かって

変な体勢でにらみはじめました。

 

 

 

 

「なにしてんの?」

「ためてるんです」

 

ご存知ない方に少しだけ説明すると、

片目を閉じてねらいをつけたり、じっと見たりする行為のことを、

「矯(た)める」

と呼び、

丁張りを「ためる」

水糸を「ためる」

などという使い方をします。

この現場の場合はつくる構造物が直線なので

3本ある丁張りのどちらか片方から「ためる」と

丁張りの斜めになった部分

(この場合は切土の勾配)

ある時点でピタッと重ならなければなりません。

もし重ならないと

その丁張りはどこかがマチガッテイルということになります。

なので

丁張りを設置したあとは必ず「ためて」

その良し悪しを確認する。

これが必須となります。

それをしないと

万がイチまちがえた場合に

気づかずそのまま施工してしまい

途中で気づいてあわてふためく

という事態におちいります。

 

頼まれもしないのに

覚えたばかりの「ためる」を試してみた事務員さん。

もう一度その体勢を見てみましょう。

 

 

 

 

 

「そんなんダメダメ。形がなってない」

おじさんがダメ出しをすると

「じゃあどうやったらいいんですか?」

不満そうな顔をしてたずねます。

すかさずかたわらにいたセンパイが模範演技。

 

 

 

 

 

そうです。

これです。

そもそもこの腰の入り方からして違います。

 

ならば

ということで再チャレンジ。

 

 

 

 

 

いいじゃない。

少々わざとらしい格好ですが合格です。

 

ICT土工では丁張りレスが基本ですが

なにもそれに固執する必要はなく

丁張りがあった方がよい時は設置して

ムダな時は使わない。

それに

視認性という面だけからみれば

やはり丁張りの方がわかりやすい。

 

古いやり方にしがみつくのも

新しいやり方だけを押し通すのも

固執する

ということでは同じこと。

なにごとも臨機応変。

これでよいのだとわたしは思います。

 

さて

今回は直線の丁張りを「ためる」という超初心者コース

いわばイロハのイをやってもらいましたが

次はもう少しステップアップしたやつをやってもらいましょうかねえ。

いつになるかわかりませんが

乞うご期待!

 

(みやうち)

 

 

 

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年の初めの

2023年01月05日 | その他

 

 

 

令和五年の仕事初めは毎年高齢の安全祈願祭から。

ここ多気坂本(たけさかもと)神社(地元の通称は「だけさま」)は、

武内宿禰命(たけうちすくねのみこと)と葛城襲津彦(かづらぎのそつたのみこと)を祭神とする。

延喜式神名帳にその名を記された古社であり、

神武天皇が東征のおりに滞在したという説もあります(通説は瀬戸内通過説ですが)。

 

また、古事記に記されている建依別(たけよりわけ)という土佐国の古名との関係性から、

坂本神社と合祀する前の多気(たけ)神社が土佐国の国魂(くにたま)だった可能性があるとする説もあるなど、

兎にも角にも、遠い古代からこの地にある歴史あふれる神社です。

 

御成敗式目にいわく、

「神は人の敬に依りて威を増し、人は神の徳に依りて運を添ふ」。

土木は地球を相手にする仕事。

八百万の神々を敬いながら

みんなそれぞれができることと役割を全うし

今年一年がんばりましょうと

心あらたにして誓う辺境の土木屋65歳なのでありました。

 

 

「写真とっちょってね」

と事務員のトシ子さんに頼んででおいたのはいいんですが・・・

 

 

 

 

 

 

 

「え?これだけ? (*_*)」

「だって~~~ ^^;」

「だって何よ (-_-)」

「おごそかな雰囲気なんで失礼かと・・・^^;」

「アンタ去年もそんなこと言ってなかったっけ? (--〆)」

 

やおら宮司さんに話しかけるトシ子さん

「失礼ですよね~写真なんか (*^^*)」

「ぜんぜん。なんの問題もないですよ。どんどん撮って残しておいてください (^^)」

「え~~~~そうだったんですか~~~ (T_T)」

 

ともあれ

一年がスタートを切りました。

今年も

礒部組とその仲間たちの

たのしく愉快な日々をお届けしますので

どうかよろしくお願いいたします。

 

(みやうち)

 

 

 

 

 
 
 
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