改訂しました。
舁 ヨ 臼部 yú
解字 篆文は上と下に両手を描いて、二人が一緒に両手をかけて持ちあげる形。現代字は、「臼(上の両手)+廾キョウ(下の両手)」 になった。多くの手で持ち上げる意となる。なお正確に言えば、上の両手は𦥑キョクであるが、舁ヨの字では、𦥑⇒臼(うす)に変形している。部首と組み合わさるときは、[ ]内の形に変化する。
意味 かく(舁く)。かつぐ(舁ぐ)。「舁夫ヨフ」(かつぎて)「駕籠舁かごかき」(駕籠を担いで人を運ぶのを職業とする人)
イメージ
「みんなで持ち上げる」(舁・興・輿・与・歟・誉・嶼・挙・欅・襷)
音の変化 ヨ:舁・輿・与・歟・誉 キョ:挙・欅 コウ・キョウ:興 ショ:嶼 たすき:襷
みんなで持ち上げる
興 コウ・キョウ・おこる 臼部 xīng
解字 「同(酒器)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。同はまるい筒型の酒器。(同を参照)これに酒をいれて皆で一斉に持ちあげ乾杯すること。これにより皆で集まって一斉にものごとを始めるきっかけとすることから、おこる・おこす意となる。また、一斉に乾杯して宴を催すことから、キョウの発音で、たのしみ・おもしろみの意味になる。
意味 Ⅰ. コウの発音:(1)おこる(興る)。さかんになる。「勃興ボッコウ」「興亡コウボウ」 (2)おこす。はじまる。「興業コウギョウ」(新たに事業をおこす) Ⅱ. キョウの発音。たのしみ。おもしろみ。「興キョウじる」(おもしろがる)「興味キョウミ」「座興ザキョウ」
輿 ヨ・こし 車部 yú
解字 「車(=輦レン。てぐるま)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。この車は、みんなで担ぐ「てぐるま」である輦レンの意。輦の下に渡した二本の長柄などで大勢の人がかつぐ乗り物をいう。
網代輿(「山川 日本史小辞典 改訂新版」より)
意味 (1)こし(輿)。人を乗せて担ぐ乗り物。「神輿みこし」「網代輿あじろごし」)(竹や檜ひのきを薄く削って編んだ網代を屋根や両わきに張った輿)(2)輿を担ぐ人。身分の低い者。「輿丁ヨチョウ」(輿を担ぐ人)(3)(輿丁ヨチョウのような身分の低い者からなる)世間一般。「輿論ヨロン」(=世論ヨロン)「輿望ヨボウ」(世間の人々からの期待)(4)万物をのせる大地。「輿図ヨズ」(世界地図)
与[與] ヨ・あたえる 一部 yǔ・yù・yú
みんなで持ち上げているのは象牙
解字 上図の金文は「牙(象牙)+舁ヨ(みんなで持ち上げる)」 の会意形声。みんなで貴重な象牙を持ち上げているさま。下図は牙ガの変遷図だが、金文の牙と一致する。篆文第1字で牙⇒与の初形に変わった。篆文第2字は与の初形だけの形で、これが第1字の略体として用いられていた。楷書の旧字は与の横線がタテになった形をへて、現代字の与になった。舁の中に牙(象牙)が入っており、貴重な象牙を皆で手に持上げている形。ともにする・関係する・(持上げた物を)あたえる意となる。新字体では、旧字から与のみが抜き出された。
意味 (1)くみする(与する)。仲間になる。ともに。「与党ヨトウ」(なかま。同志。政権を担当する政党) (2)あずかる(与る)。関係する。「関与カンヨ」 (3)あたえる(与える)。「贈与ゾウヨ」
歟 ヨ 欠部 yú
解字 「欠(口をあける)+與(ともにする)」の会意形声。ともにする仲間が口をあけて出すこえ。文末に置いて、推測・反語・感嘆などをあらわす助字として使われる。
意味 ~か。~や。推測・反語・感嘆などの助字。文末につける。「帰歟キヨ」(帰らんか)「格言也歟カクゲンなるや」「猗歟イヨ」(感嘆の「ああ」という声)
誉[譽] ヨ・ほまれ 言部 yù
解字 旧字は譽で「言(ことば)+與(みんなで与える)」の会意形声。皆こぞって言葉でほめそやすこと。新字体で、譽⇒誉に変化。
意味 (1)ほまれ(誉)。よい評判。「栄誉エイヨ」「名誉メイヨ」(2)ほめる(誉める)。ほめたたえる。「称誉ショウヨ」(ほめたたえること)
嶼 ショ・しま 山部 yǔ
解字 「山(やま)+與ヨ⇒ショ(=舁ヨ。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで山を持ち上げること。人々がかついで持ち上げられそうな小さな山を、海上に浮かんでいる小島に例えている。
意味 しま(嶼)。ちいさな島。「島嶼トウショ」(島とちいさな島。島々)
挙[擧] キョ・あげる・あがる 手部 jǔ
解字 旧字は擧で「手(て)+與ヨ⇒キョ(=舁。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで手をそろえてあげること。手をあげる・皆こぞって行なう意となる。新字体で、擧⇒挙に変化。
意味 (1)あげる(挙げる)。あがる(挙がる)。もちあげる。「挙手キョシュ」(2)物事を起こす。おこなう。「挙行キョコウ」(3)あげて。こぞる(挙る)。こぞって(挙って)。「挙党キョトウ」「挙国キョコク」(4)数え上げる。「列挙レッキョ」(5)とりたてる。「推挙スイキョ」
欅 キョ・けやき 木部 jǔ
解字 「木(き)+擧キョ(みんなで手をあげる)」の会意形声。枝がみんなで手をあげたように空にひろがって伸びる木。これは私の解字で、実際は「木(き)+擧(キョ)」の形声字。
けやき
意味 けやき(欅)。槻ツキとも書く。ニレ科の落葉高木。高さ20m近くに達し、放射状に枝が伸び、樹冠がまるくなる。古くから建築材、家具材などとして幅広く用いられる。「欅並木けやきなみき」「欅箪笥けやきタンス」
襷 <国字> たすき 衣部 jǔ
解字 「衣(ころも)+擧(あげる)」の会意。衣の袖(そで)が邪魔にならないようにたくし上げる為の紐や細長い布地を指す。通常、肩から脇にかけて通し、斜め十字に交差させて使用する。
たすき掛け(和服店のブログから)
意味 たすき(襷)。(1)衣のそでをたくしあげる紐。「襷掛(たすきが)け」(①たすきを掛ける。②縄などを斜め十字にからげること) (2)肩から下方へ斜めに掛ける紐や細い帯。「襷たすきリレー」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
舁 ヨ 臼部 yú
解字 篆文は上と下に両手を描いて、二人が一緒に両手をかけて持ちあげる形。現代字は、「臼(上の両手)+廾キョウ(下の両手)」 になった。多くの手で持ち上げる意となる。なお正確に言えば、上の両手は𦥑キョクであるが、舁ヨの字では、𦥑⇒臼(うす)に変形している。部首と組み合わさるときは、[ ]内の形に変化する。
意味 かく(舁く)。かつぐ(舁ぐ)。「舁夫ヨフ」(かつぎて)「駕籠舁かごかき」(駕籠を担いで人を運ぶのを職業とする人)
イメージ
「みんなで持ち上げる」(舁・興・輿・与・歟・誉・嶼・挙・欅・襷)
音の変化 ヨ:舁・輿・与・歟・誉 キョ:挙・欅 コウ・キョウ:興 ショ:嶼 たすき:襷
みんなで持ち上げる
興 コウ・キョウ・おこる 臼部 xīng
解字 「同(酒器)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。同はまるい筒型の酒器。(同を参照)これに酒をいれて皆で一斉に持ちあげ乾杯すること。これにより皆で集まって一斉にものごとを始めるきっかけとすることから、おこる・おこす意となる。また、一斉に乾杯して宴を催すことから、キョウの発音で、たのしみ・おもしろみの意味になる。
意味 Ⅰ. コウの発音:(1)おこる(興る)。さかんになる。「勃興ボッコウ」「興亡コウボウ」 (2)おこす。はじまる。「興業コウギョウ」(新たに事業をおこす) Ⅱ. キョウの発音。たのしみ。おもしろみ。「興キョウじる」(おもしろがる)「興味キョウミ」「座興ザキョウ」
輿 ヨ・こし 車部 yú
解字 「車(=輦レン。てぐるま)+舁(みんなで持ち上げる)」の会意形声。この車は、みんなで担ぐ「てぐるま」である輦レンの意。輦の下に渡した二本の長柄などで大勢の人がかつぐ乗り物をいう。
網代輿(「山川 日本史小辞典 改訂新版」より)
意味 (1)こし(輿)。人を乗せて担ぐ乗り物。「神輿みこし」「網代輿あじろごし」)(竹や檜ひのきを薄く削って編んだ網代を屋根や両わきに張った輿)(2)輿を担ぐ人。身分の低い者。「輿丁ヨチョウ」(輿を担ぐ人)(3)(輿丁ヨチョウのような身分の低い者からなる)世間一般。「輿論ヨロン」(=世論ヨロン)「輿望ヨボウ」(世間の人々からの期待)(4)万物をのせる大地。「輿図ヨズ」(世界地図)
与[與] ヨ・あたえる 一部 yǔ・yù・yú
みんなで持ち上げているのは象牙
解字 上図の金文は「牙(象牙)+舁ヨ(みんなで持ち上げる)」 の会意形声。みんなで貴重な象牙を持ち上げているさま。下図は牙ガの変遷図だが、金文の牙と一致する。篆文第1字で牙⇒与の初形に変わった。篆文第2字は与の初形だけの形で、これが第1字の略体として用いられていた。楷書の旧字は与の横線がタテになった形をへて、現代字の与になった。舁の中に牙(象牙)が入っており、貴重な象牙を皆で手に持上げている形。ともにする・関係する・(持上げた物を)あたえる意となる。新字体では、旧字から与のみが抜き出された。
意味 (1)くみする(与する)。仲間になる。ともに。「与党ヨトウ」(なかま。同志。政権を担当する政党) (2)あずかる(与る)。関係する。「関与カンヨ」 (3)あたえる(与える)。「贈与ゾウヨ」
歟 ヨ 欠部 yú
解字 「欠(口をあける)+與(ともにする)」の会意形声。ともにする仲間が口をあけて出すこえ。文末に置いて、推測・反語・感嘆などをあらわす助字として使われる。
意味 ~か。~や。推測・反語・感嘆などの助字。文末につける。「帰歟キヨ」(帰らんか)「格言也歟カクゲンなるや」「猗歟イヨ」(感嘆の「ああ」という声)
誉[譽] ヨ・ほまれ 言部 yù
解字 旧字は譽で「言(ことば)+與(みんなで与える)」の会意形声。皆こぞって言葉でほめそやすこと。新字体で、譽⇒誉に変化。
意味 (1)ほまれ(誉)。よい評判。「栄誉エイヨ」「名誉メイヨ」(2)ほめる(誉める)。ほめたたえる。「称誉ショウヨ」(ほめたたえること)
嶼 ショ・しま 山部 yǔ
解字 「山(やま)+與ヨ⇒ショ(=舁ヨ。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで山を持ち上げること。人々がかついで持ち上げられそうな小さな山を、海上に浮かんでいる小島に例えている。
意味 しま(嶼)。ちいさな島。「島嶼トウショ」(島とちいさな島。島々)
挙[擧] キョ・あげる・あがる 手部 jǔ
解字 旧字は擧で「手(て)+與ヨ⇒キョ(=舁。みんなで持ち上げる)」の会意形声。みんなで手をそろえてあげること。手をあげる・皆こぞって行なう意となる。新字体で、擧⇒挙に変化。
意味 (1)あげる(挙げる)。あがる(挙がる)。もちあげる。「挙手キョシュ」(2)物事を起こす。おこなう。「挙行キョコウ」(3)あげて。こぞる(挙る)。こぞって(挙って)。「挙党キョトウ」「挙国キョコク」(4)数え上げる。「列挙レッキョ」(5)とりたてる。「推挙スイキョ」
欅 キョ・けやき 木部 jǔ
解字 「木(き)+擧キョ(みんなで手をあげる)」の会意形声。枝がみんなで手をあげたように空にひろがって伸びる木。これは私の解字で、実際は「木(き)+擧(キョ)」の形声字。
けやき
意味 けやき(欅)。槻ツキとも書く。ニレ科の落葉高木。高さ20m近くに達し、放射状に枝が伸び、樹冠がまるくなる。古くから建築材、家具材などとして幅広く用いられる。「欅並木けやきなみき」「欅箪笥けやきタンス」
襷 <国字> たすき 衣部 jǔ
解字 「衣(ころも)+擧(あげる)」の会意。衣の袖(そで)が邪魔にならないようにたくし上げる為の紐や細長い布地を指す。通常、肩から脇にかけて通し、斜め十字に交差させて使用する。
たすき掛け(和服店のブログから)
意味 たすき(襷)。(1)衣のそでをたくしあげる紐。「襷掛(たすきが)け」(①たすきを掛ける。②縄などを斜め十字にからげること) (2)肩から下方へ斜めに掛ける紐や細い帯。「襷たすきリレー」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます