80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

zugプラキットで作る西武赤電(411系編[9])

2023-07-16 13:01:02 | 私鉄電車
3連休初日の昨日は恒例のお座敷運転会。今回も多種多様な車両が集まりました。管理人は165系アルプスにED61重連が牽く短編成貨物列車など中央東線風列車を眺めながらゴロゴロ。。西武411系の完成デビューを目指したのですがあと一歩のところで断念しました。



ということで411系の製作記を続けます。アルミサッシと窓セルの貼り込みは終わったのですが、このキットの特徴でもある窓下のクッションゴム表現で、最初はセルの下端2mmにマットブラックを塗っていたのですが、ロングシートの背もたれの上から“黒い帯”が見えてカッコ悪いので、以後は下端を空けて窓セルを貼り、ゴム部分はマットブラックを塗った薄紙(写真下)を別に貼る方法に変更しました。



ゴム表現自体は見た目が締まって見えるのでいいと思います。



続いてライト関係の難関をやっつけます。この車両は「尾灯・通過標識灯兼用」という仕組みを持っていて、最後尾となる場合は電球の前に赤色のガラスが差し込まれるようになっています。このサイズでメカニカルな構造は難しいので、赤色と電球色の砲弾型LEDのケーシングを薄く削って二段重ねとし、アクリル板を耐水ペーパーでこすった「拡散キャップ」を挟んで光ファイバーで導光することにしました。これが完成した光源ユニットです。



これを乗務員室仕切りの中央にセットします。右が客室側で四角枠に光源ユニットが収まります。左は乗務員室側で、φ1mm光ファイバーを2本横並びに差し込める穴が開けてあります。



光源部周辺を遮光のため黒で塗ってから全体をグレーに塗装。光源ユニットを差し込んで配線を済ませたところです。3本あるのはテールライト用、通過標識灯用、コモン用です。



乗務員室仕切りを落とし込み、既に設置済みの車体側接点と結線します。抵抗や逆流防止用ダイオードは屋根裏に張り付けています。光ファイバーは左右それぞれ手でS字に曲げたものを差し込み、点灯を確認したのちにライトケース部と光源部に接着剤を流して固定しました。光源と光ファイバーは最後に黒で塗りこめます。



車体と下回りを仮組みして点灯試験をします。ちょっと手が込み過ぎた感のある連結面側の接点ですが、車体固定用ビスのお尻が0.5mmぐらい出っ張ってうまく接触しているようです。乗務員室側の接点はシートの裏側になって見えないので“出たとこ勝負”です。



せーの点灯!左から①前進・通過標識灯点灯、②前進・通過標識灯消灯、③後進です。下向き・上向き両方の実体配線図を描いたのが奏功して一発合格でした。乗務員室仕切りをまだ固定していないのでナナメってるのはお許しください。なお、通過標識灯の消灯や、中間連結時の全消灯は、床下のスライドスイッチを使って行います。



あとはクモハの配線仕上げとHゴムの描き込みをすれば完成です。結局苦手な作業が最後まで残りました。笑


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10連への思い断ち難く

2023-07-11 10:34:04 | 私鉄電車
「西武『赤電』への思い断ち難く」と題して投稿したのが3月。

新宿線の10両編成運転を再現すべく、zugのプラキットの改造を中心に411系、701系、551系の組み合わせを模索したものの、自分の好きな1970年代初頭の西武赤電スタイルでは無理があることが分かり、クモハ411の台車をFS40したり、10連をやめて8連とするために551系4連を451系2連に変更したりといったチューニングを行った結果、なんとか1973年の時代設定でうまく収まることになりました。

しかししかし、堂々たる10両編成運転への思いは断ち難く再度の方針変更を行うことにしました。

いまいちど西武新宿線の10両編成運転の開始についておさらいすると次のとおりです。(西武鉄道会社要覧2022 データ集「年譜」より)
・1975年6月2日 西武新宿~本川越間急行10両運転開始
・1975年12月8日 西武新宿~拝島・多摩湖間急行10両運転開始
・1977年12月19日 西武新宿~新所沢間準急10両運転開始

1975年6月に西武新宿~本川越間で急行が10両運転を開始したのがその始まりで、同年12月には拝島・多摩湖系統へも拡大し、2年後の1977年には準急の10両編成運転も始まっています。余談ですがこれに先立つ同年4月には待望の4扉2000系が落成しており、激増するラッシュ需要との戦いが本格化していくことになります。

一方で1975年の新宿線の車両配置をみてみると、今までは池袋線のヌシであった501系の一部が転属してきています(転属は1974年から開始された模様)。一時話題を集めたとされる2M4T編成も解消され純粋な4連の姿です。これはいいかも。。

(後藤文男著「西武の電車1 赤い電車編」より)


501系は独立2枚窓の湘南フェイスを持つ20m級釣り掛け車で、多摩湖線で最後まで活躍した17m級の351系(登場時は501系を名乗った)とルーツ的には同一とされます。最終的に20m級車が501系として整理されました。側面は片開き3ドアなので編成にアクセントをつける意味でも好ましい編成です。

(私鉄ガイドブック・シリーズ第2巻 小田急・京王帝都・西武[慶應義塾大学鉄道研究会編]より)


この電車を特徴づけるものとして忘れてはいけないのが「TR25A」という、小ぢんまりとしたエアベローズ式の空気バネ台車で前の写真にも写っています。いわゆる国鉄のDT12・13に相当する台車で板バネを改造すればそれらしいモノになりますが、幸運なことに旧フクシマ製品を受け継いだそのものズバリの台車がIMONから発売されていました。



大判小判の眩しいまでの輝きを放つロスト製台車です。2両分ともなればお財布には決して優しくありませんが買ってしまいました。もう後へは引けぬ・・・ 笑



ところがこの台車、WB31mmとされていたのですが31mmのギヤが入らない。測ってみると30mmだったのでIMONさんにお知らせし、今ではHPの記載も30mmに修正されています。実車はWB2,450mmなので短くてOKなのですが、ロストで再生産するに当たって設計変更する一方で表記の修正が漏れたということでした。ご丁寧なメールを頂きありがとうございました。



φ11.5・WB30mm・スポーク車輪というギヤは発売されておらず、どのみち31mmからのシャフト切りつめが必要なので“実害”はありませんが、今まで発覚しなかったのは単に購入者が少ないのか、無言で改造する猛者しか買わないのか。。ニッチな製品であることは確かなので、それをしっかり継承して製品化していただけるIMONさんには感謝しかありません。

が、もしかして私が知らないだけで西武501系はマニアの間では大人気なのでしょうか???


床下機器はサハ用を1両分だけクハ1411形に流用してしまったので新たに買い直しましたが、残りは既に買ってある551系用が流用できるのでOK。なんならサハ1501用よりサハ1551用の方がぴったりでした。おそらく前者は晩年のサハ1501をプロトタイプとしたのではないかと思われます。



ということで、実際にあったかは別にして411系、701系、501系の混成で1975年想定の新宿線10両編成が可能となるのですが、1点だけ難点があって、この年は既に行先サボからアンドン式方向幕へ移行してしまっており、サボ仕様の411系がダウトになってしまうのです。これを回避するため、411系を泣く泣くアンドン幕仕様に改造しま・・・・・・・・・・・・・せん!

701系(元々アンドン幕装備)と501系(アンドン幕改造後スタイル)でサンドイッチにして、しれっと運転することにします。笑

411系はなんとか完成しそうなので、これをバネにしてなんとか仕掛り品コーナー行にならないよう「赤電10連」頑張りたいと思います。10年かかっても・・・ え?



コメント (11)
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zugプラキットで作る西武赤電(411系編[8])

2023-07-09 04:38:08 | 私鉄電車
411系編を続けます。元々クセのあるキット(褒めてます)なのに色々手の込んだことをし始めために時間を食ってしまい牛歩状態。でもなんとか進んでいます。

電気関係で大きな方針変更をしました。編成内のカプラーは701系なども含めてエンドウのドローバーを予定していて、すでにマウントも整えて取付済みだったのですが、軽量なプラ車体ということで引き通し化することにしました。



カプラーはIMONの通電カプラーを使用。前作の富山地鉄クハ173号で試用して非常に高い通電安定効果がみられたため引き続きの採用となりました。車体側への給電に車体コーナーにある固定用ビスを利用するため、ラグ端子板を加工してカプラーと一体的に配線しました。ちなみにこちらはクモハの動力台車側のようす。



こちらはクハの前部側のようす。車内をなるべくすっきりさせるために極力配線は床下を這わせています。2つ並んだスライドスイッチは、左が中間連結時のヘッド・テールライトの消灯用で、右が通過標識灯(いわゆる急行灯)の点灯用です。



おかげで床上はスッキリしました。キットにはロングシートが付属しているのでそれを活用するための“対策”です。ただし奇麗なのはトレーラーだけ。M車はセンターピンのお尻がどうしても飛び出すので配線も堂々とむき出しです・・・。



車体側への給電ですが、先ほど少し触れたように車体固定用ビスを介して給電する方法としました。しかし、以前、上信電鉄の500形(マンナンライフ電車)を作ったときは車体側のナットにあらかじめ配線を半田付けしておいたのでうまくいったのですが、今回はそれを忘れて車体を組んでしまったので、仕方なくシートの下に接点を仕込むことにしました。これが牛歩になっている原因です。。


頭痛が痛い(笑)ですがとりあえずシートを加工します。まずは接点組込みが必要な車端部用4ヶを先行。床板止めのモールドを避けるため背もたれ側の下部を1.2×1.2mm程度カットし、シートが車体側にピタッと接着できるようにします。ちなみにデフォルトでは「シートは床板に接着する」こととされていて、車体との間にこのモールド分の隙間が空くことになっています。このあたりがクセのある設計と呼ぶ所以です。あと、モケットを赤2号に塗っておきます。



t0.1燐青銅板で接点を作り、配線用のエナメル線を半田付けした上でシートの下に瞬着で固定します。これは連結面側用。



窓ガラスを先に入れておき、ナット入りの車体固定用パーツの脇にこの接点付きシートを接着します。



固定用ビスをねじ込んでいくとお尻がこの接点に当たって給電する仕組みです。なんか大げさ。。笑



これで済めば多少大げさでもよかったのですが、運転室側は仕切りが入る関係で同じ方法がとれず、また違うスタイルの接点を仕込むことになりました。こちらは接点自体は完全にシートの下に収まり、赤丸で囲った、車体固定用とは別の給電用ビスのお尻に接触するという仕組みです。むしろ全部このスタイルでよかったかも。。



室内灯はキット付属の導光プリズムに白色LEDを自前で組み込んだユニットを作ってポン付けしています。ちなみに、普通なら給電用の接点は2か所あれば済むのですが、今回はヘッド・テールと通過標識灯のON/OFFスイッチを床板側に組み込んだことから室内灯と別回路にする必要があり、4か所設けることになりました。



窓ガラスを入れないとシートが取り付けられないため、まず車端部用の窓も先行して組み立てています。このキットではサッシ下部に付くクッションゴムが表現できるようになっているので、窓ガラス(今回はIMONのt0.3ポリカ製を使用)を必要な幅にカットしたのち、片側の2mm弱をマスキングしてマットブラックを塗っておきます。上に見えるステンレスエッチングのサッシの下部には細いスリットが開けてあり、そこからあたかもクッションゴムのように黒が見える・・・というまことにクセの強いチラリズム設計になっているのであります。



連結面は貫通路を狭幅から広幅に改造したのでサッシは自作するつもりでしたが、運転室後方の狭い窓用のものがなんとか使えたのでラッキーでした。



反対に拡幅した運転室後方の窓に合うサッシが無く、一度はサッシを切り詰めてみたのですがうまくいかず(2枚前の写真に切れ端が写っています)ペーパーで自作しました。クッションゴム表現も合わせています。



というわけで、とりあえずクモハ(手前)の給電用接点の組み込みが完了しました。先は長いけど道筋はできたので引き続き頑張りますヨ~。。


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zugプラキットで作る西武赤電(411系編[7])

2023-07-01 19:16:41 | 私鉄電車
クハの方も塗りあがったのでレタリングをほどこします。

赤電のいいところは手持ちの国鉄/JRのインレタがそのまま使えることですが、社紋だけはシールで自製することにして、先日の駅撮りで撮影したこの写真を下敷きにしてWordで原図を起こしました。



シール紙にプリント。将来のために2000系用も作ってあります。笑



こんな感じで貼り付け。外周を図柄ギリギリに丸くカットするのが難しくお座なりに・・・。ま、雰囲気重視ということで。。



で、調子に乗ってこちらも雰囲気重視で手持ちのインレタから「形式」と「自重」と「検査標記」を転写。もちろん中身はデタラメです。



毒を食らわば皿まで・・・と「定員」も。。なんか白い文字が書いてあればヨシ!



若干の前面パーツを取り付けてからクリアコートを吹きます。まずはヘッドライトケース。メーカー不詳の101系等用と思われるものですが、リムがぶ厚くてカッコ悪かったので薄く削ってからメタルシルバーに塗装。内径が3mm強あるのでφ3砲弾型LEDを直に仕込めるのですが、スのままでは輝度が高すぎて眩しいので、レンズの前に小さく切った「イロプラ」(透明)を入れて減光します。



そしてもうひとつはサボ受けで、エコーの「行先板枠」(No.607)がちょうど2両分あったのでシルバーに塗って取り付けるのですが、こんな治具を作ってセンターが出るようにしました。接着は瞬着を使い、最初に枠下の見えにくい部分を点付けしてから曲がりを修正し、最後に枠の内側に沿って瞬着を流しました。一応サボを差し替えて楽しめるよう、しっかり固定しています。



屋根をマスキングして「Mr.スーパークリア―半光沢」を吹いて仕上げました。前面窓のHゴムは最後にエナメルを差す予定です。




さて、懲りもせず2000系を追っかけているのですが、昨日、こちらのサイトで国分寺線に2031Fが入っているとの情報が流れたので撮影してきました。いろいろ改造されていますが、“旧2000系”の6連では唯一の生き残りということで、傾斜したフロントガラスや“田の字窓”など登場時のスタイルを残す貴重な編成です。

(西武2000系2031F(先頭クハ2032ほか6連),2023.6.30,国分寺線恋ヶ窪駅にて)


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