80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

続・E353系の模型化を考える

2022-09-09 02:53:28 | 中央東線方面
以前、E353系の模型化を考えると題して複雑な前頭部をどう模型化しましょうかね・・・という投稿をしましたが、今回はその続編で窓やドアなど側板の寸法取りの話です。

設計のベースは「とれいん」2018年2月号や「鉄道ファン」2018年2月号に掲載された形式図とします。車体形状のみに着目すれば、基本編成の場合クハ2種、モハ2種、サロの5種類に分けられ、サハはトイレ付モハ(モハE352)と同一とされます。まずはこれらを1/80にスケールダウンしたのですがひと波乱ありました。



上記2雑誌ともそうなのですが、スペースの関係からかモハE352やサハE353の図面がありません。写真はあるので他形式から類推してくれということでしょう。こちらがその例で被写体は11号車のモハE352です。ごく一般的なトイレ付中間車の設計でその意味ではモハ485とさして変わりません。笑



こちらが図面のあるモハE353の例です。デッキは車端でパンタ付です。



そしてこちらが新宿向きクハE353と同一車体とされる付属編成のクモハE352(図面あり)で、赤丸部分を上のモハE353と合体してやればモハE352(&サハE353)が一丁あがり!のはずだったのですが寸法が合いません。うぅむ敵は手ごわいな・・・



図面をいろいろ眺めまわしていると、車端部の吹寄せの寸法が何種類かあることに気づきました。とりあえず図面がある車体からピックアップするとこのとおりで、モハE353が685mmで最も広く、次いでサロE353の655mm、クハE352の585mmとなっています。基本は普通車とグリーン車の2種類で、パンタ付モハE353は普通車(クハ)の585mmに配管スペースと思われる厚みが100mm加わっているということのようです。これは分かりやすい。



ならばということで、端部吹寄せを配管スペースのないクハ並みの585mmとして再度寸法を求めたところ全長が120mm足りない・・・。実車をみると確かにパンタ付きモハとパンタなしモハ・クハ・サハとでは吹寄せ幅が違うので585mmは正しいと思うんだけどなぁ。。

昔だったらメジャー片手に「ホームで採寸」を敢行したのですが、昨今のように「鉄」に対して厳しい目が注がれる時代にそれをやる勇気はありません。

なので、「形式図を測ってはいけない」と同じく「サイドビュースリット写真を測ってはいけない」を座右の銘としてはいるのですが、緊急避難的にかけやま写真館様所蔵の側面写真を測らせていただきました。結果、この赤丸部分の寸法(ドアの左右)が中間車では120mm長いのではないか?という、まあなんとうか誠に都合の良い解釈にたどり着きました。



スリット写真からの計測であっても、実寸そのものではなく「比率」を使うとある程度疑問解決の糸口がつかめます。誤差は均等に分布しているはずだと解釈することで、例えば上の例では既知のドア幅935mmをベースとして、その周辺の寸法を比率計算で求めれば当たらずとも遠からずの寸法が求められるわけです。これと図面の数値を比べれば、120mmピタリではなくとも「やっぱり中間車と先頭車では違ってるんだ」程度の考察ができます。

ということで120mmは模型寸法にすれば1.5mm。このまま強行突破でもいいのですが、どうせ着工はまだ先のことなので、もしモハE352やサハE353の図面をお持ちの方がおられましたら情報提供いただけると嬉しいです。

コメント
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