久しぶりの更新です。1月も後半に突入ですね。
某運転会の春の部の開催が早々と決まり、また新たな課題車両の製作に着手しそうです。あぁ阪急、京阪、小田急どこへゆく・・・。
まだ完全決定ではないのですが、こんな車両はどうかと考えてみました。東急5200系。青ガエル5000系一族にして、こんにちのステンレス全盛時代の先駆けとなったセミステンレス構造をもつ貴重な車両です。引退後は一部が上田交通(現上田電鉄)に譲渡され第二の人生を送りました。金沢八景にある㈱総合車両製作所(J-TREC)本社・横浜事業所に上田電鉄から里帰りしたデハ5201が1両、7000系デハ7052とともに静態保存されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/7b/1b3c06d84eb6a177dfedc0a3b279b493.jpg)
さて、鉄道ピクトリアルに掲載された形式図を見ていて、というかパッと見で気づいたのが「屋根こんなペタンコじゃないよね」とか「前面窓ってこんな真四角で地面に平行かい?」でした。まあ形式図が実車を忠実に反映していないのは日常茶飯事なので実車を確認することにします。といってもJ-TRECのは非公開なので、身近にある青ガエル、そう、TVで渋谷のスクランブル交差点が写ると必ず写り込んでくるデハ5001のカットボディで、主に顔のつくりを見てくることにしました。
これが渋谷ハチ公前広場に鎮座するデハ5001のカットボディ。平日の昼間なので、休日ほどではないにしろ待ち合わせの人多し。しばらく待って人が立ち退いた瞬間に撮影しました。検証のテーマは「青ガエルは本当に湘南顔なのか」です。さすがにメジャー振り回して計測する勇気はないので写真で検証します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ee/633746b2206d07543af7a77c9bc0749b.jpg)
「湘南顔」には3種類あります。(と自分勝手に定義してます。)ひとつは元祖湘南顔の国鉄80系と同じ顔で、鼻先がツンと持ち上がった4平面で構成されたもの。2つ目は鼻先が持ち上がらず窓が地面と平行なもの。西武701系などが代表選手です。それ以外は「非貫通・二枚窓」ならナンデモアリの雑多なものたち。いわば“湘南顔ファミリー”ですね。上の写真を見ると、元祖80系クハ86ほどではないにしろ、青ガエルさんも鼻先が少し上を向いた正統派湘南顔といって良さそうです。
試しに横からのぞいてみます。フロントガラスの下端は中央へ向けて上がっていますね。形式図のように左右の窓が地面に平行な西武顔でないことは明らかです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/ef/1572270f44bdb1b31221e9fd4de2ae3a.jpg)
まあ、ここまでの話は実車を見ずとも写真でだいたいわかるのですが、これを5200系に置き換えるとにわかに疑問が噴き出してきたんですね。5200系には初期のステンレス電車の象徴ともいえるコルゲートが施されています。正面の写真を見てみましょう。人が被っていますが、車体下端から窓下までリブはすべて平行に並んでいます。仮に鼻先が上を向いているとしたら、こうもきれいな平行線にはならないはず。世界不思議発見♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/5a/ad6d4726c83b18d018dc00ce1841d934.jpg)
(「マイナビニュース」より)
着工する前から重箱の隅をつつきまくって手が出せなくなりました。これはイカンということで、とりあえずモックアップを作ってみることにしました。サイズは組み立てやすいように原寸より大きめです。まずは「湘南顔」から。湘南顔のパーツは意外とシンプルです。腰板は少し中央が高い山型にカット。そして窓部は完全な長方形です。「湘南顔はタレ目じゃない」と言われるゆえんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/1e/f8685754a165b1899842dfd9317014c3.jpg)
これを組み立てるとこうなります。シンプルですよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/8b/fd3f75f98002106bd3c148f770a851fe.jpg)
次にこれを5200系の顔にします。5200系は青ガエルと違い「くの字」型の前面をしています。これを表現するには左右の腰板を平行四辺形にカットします。ただし上下を完全に平行にしてしまうと腰板も窓と同じだけ傾斜がついてしまうので、下辺は上辺より傾斜がやや緩くなるようにカットします。パーツの四隅に少し大げさに角度のイメージを書き込んであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/5b/162e45e87f7194273940d8cee0fac9bf.jpg)
組み立てるとこうなります。まさに5200系顔。赤線でコルゲートを描き込んであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/ca/65831f5199319422d8749b58583d0393.jpg)
この赤線、展開図の状態だと左右は平行ではありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/75/dbfa7b3fadf6524983107a0811b1cd06.jpg)
でも組み立てたものを正面から見ると地面と平行。(少し傾いてるのはご勘弁)おもしろいですね。でも、ここでおもしろがっていてはダメ。窓下をみてみましょう。窓とコルゲートは平行じゃありませんね。そりゃそうだ、腰板は完全な平行四辺形じゃないですから・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/87/4c10c106c475e253fc2af0baa3b97d54.jpg)
結局、モックアップを作っても謎は深まるばかり。でも正面の写真を拡大してみるとあることがわかってきました。コルゲートと窓は、実は実車も平行ではないのではないか・・・。モックアップほど「くの字」の傾斜がきつくないので、見掛け上、平行に見えてしまうらしい。本当のところは実車を計測してみないと何とも言えませんが、1/80にしたら左右の差は0.5mmにも満たないも知れません。ふむ、これはもう強行突破でいくしか!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/47/808eeae13128e4774261a95cc9a003a4.jpg)
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某運転会の春の部の開催が早々と決まり、また新たな課題車両の製作に着手しそうです。あぁ阪急、京阪、小田急どこへゆく・・・。
まだ完全決定ではないのですが、こんな車両はどうかと考えてみました。東急5200系。青ガエル5000系一族にして、こんにちのステンレス全盛時代の先駆けとなったセミステンレス構造をもつ貴重な車両です。引退後は一部が上田交通(現上田電鉄)に譲渡され第二の人生を送りました。金沢八景にある㈱総合車両製作所(J-TREC)本社・横浜事業所に上田電鉄から里帰りしたデハ5201が1両、7000系デハ7052とともに静態保存されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/7b/1b3c06d84eb6a177dfedc0a3b279b493.jpg)
さて、鉄道ピクトリアルに掲載された形式図を見ていて、というかパッと見で気づいたのが「屋根こんなペタンコじゃないよね」とか「前面窓ってこんな真四角で地面に平行かい?」でした。まあ形式図が実車を忠実に反映していないのは日常茶飯事なので実車を確認することにします。といってもJ-TRECのは非公開なので、身近にある青ガエル、そう、TVで渋谷のスクランブル交差点が写ると必ず写り込んでくるデハ5001のカットボディで、主に顔のつくりを見てくることにしました。
これが渋谷ハチ公前広場に鎮座するデハ5001のカットボディ。平日の昼間なので、休日ほどではないにしろ待ち合わせの人多し。しばらく待って人が立ち退いた瞬間に撮影しました。検証のテーマは「青ガエルは本当に湘南顔なのか」です。さすがにメジャー振り回して計測する勇気はないので写真で検証します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/ee/633746b2206d07543af7a77c9bc0749b.jpg)
「湘南顔」には3種類あります。(と自分勝手に定義してます。)ひとつは元祖湘南顔の国鉄80系と同じ顔で、鼻先がツンと持ち上がった4平面で構成されたもの。2つ目は鼻先が持ち上がらず窓が地面と平行なもの。西武701系などが代表選手です。それ以外は「非貫通・二枚窓」ならナンデモアリの雑多なものたち。いわば“湘南顔ファミリー”ですね。上の写真を見ると、元祖80系クハ86ほどではないにしろ、青ガエルさんも鼻先が少し上を向いた正統派湘南顔といって良さそうです。
試しに横からのぞいてみます。フロントガラスの下端は中央へ向けて上がっていますね。形式図のように左右の窓が地面に平行な西武顔でないことは明らかです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/ef/1572270f44bdb1b31221e9fd4de2ae3a.jpg)
まあ、ここまでの話は実車を見ずとも写真でだいたいわかるのですが、これを5200系に置き換えるとにわかに疑問が噴き出してきたんですね。5200系には初期のステンレス電車の象徴ともいえるコルゲートが施されています。正面の写真を見てみましょう。人が被っていますが、車体下端から窓下までリブはすべて平行に並んでいます。仮に鼻先が上を向いているとしたら、こうもきれいな平行線にはならないはず。世界不思議発見♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/5a/ad6d4726c83b18d018dc00ce1841d934.jpg)
(「マイナビニュース」より)
着工する前から重箱の隅をつつきまくって手が出せなくなりました。これはイカンということで、とりあえずモックアップを作ってみることにしました。サイズは組み立てやすいように原寸より大きめです。まずは「湘南顔」から。湘南顔のパーツは意外とシンプルです。腰板は少し中央が高い山型にカット。そして窓部は完全な長方形です。「湘南顔はタレ目じゃない」と言われるゆえんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/1e/f8685754a165b1899842dfd9317014c3.jpg)
これを組み立てるとこうなります。シンプルですよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/8b/fd3f75f98002106bd3c148f770a851fe.jpg)
次にこれを5200系の顔にします。5200系は青ガエルと違い「くの字」型の前面をしています。これを表現するには左右の腰板を平行四辺形にカットします。ただし上下を完全に平行にしてしまうと腰板も窓と同じだけ傾斜がついてしまうので、下辺は上辺より傾斜がやや緩くなるようにカットします。パーツの四隅に少し大げさに角度のイメージを書き込んであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/5b/162e45e87f7194273940d8cee0fac9bf.jpg)
組み立てるとこうなります。まさに5200系顔。赤線でコルゲートを描き込んであります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/ca/65831f5199319422d8749b58583d0393.jpg)
この赤線、展開図の状態だと左右は平行ではありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/75/dbfa7b3fadf6524983107a0811b1cd06.jpg)
でも組み立てたものを正面から見ると地面と平行。(少し傾いてるのはご勘弁)おもしろいですね。でも、ここでおもしろがっていてはダメ。窓下をみてみましょう。窓とコルゲートは平行じゃありませんね。そりゃそうだ、腰板は完全な平行四辺形じゃないですから・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/87/4c10c106c475e253fc2af0baa3b97d54.jpg)
結局、モックアップを作っても謎は深まるばかり。でも正面の写真を拡大してみるとあることがわかってきました。コルゲートと窓は、実は実車も平行ではないのではないか・・・。モックアップほど「くの字」の傾斜がきつくないので、見掛け上、平行に見えてしまうらしい。本当のところは実車を計測してみないと何とも言えませんが、1/80にしたら左右の差は0.5mmにも満たないも知れません。ふむ、これはもう強行突破でいくしか!
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