気が向いたとき感じたままに

皆さんの文章を読ませて戴くのは楽しいのですが、気が向いた時には自分でも・・・と思い

USBメモリー

2010-04-04 06:43:32 | Weblog
「これ何かしら? 乾燥機の中でカラカラ音がしたから慌てて止めてみたらこれが入っていたの・・・」
ある日のこと、病院の談話室に来るなりパソコンに疎い女房が差し出したのは、私が病院へ持ってきていた筈の大事なUSBメモリーであった。
病棟は温度管理が行き届き快適であるため、12月であるにも拘らず素肌にパジャマという生活である。当然そのパジャマ、1日着ただけでも24時間着ているわけであるから毎日着替えぬわけにはいかず、その洗濯は恒常的になる。
以前にそうしたことがなかったとはいえ、ポケットを検めなかったのは明らかに洗濯をした女房のミスである。だが、そんな大切なものをポケットに入れたまま渡した私のミスの方が遥かに大きい。とにかく、メモリーの結果が気になった私は、その場にあったパソコンに繋いでみた。結果は心配をよそに、何のダメージも受けておらずホッとした。
「奥さんが乾燥までしてくれたからよかったのでしょう。濡れたままだったらきっと駄目だったでしょうね」
始めから脇にいた仲間の一人が冗談めかして言い皆を笑わせた。だが、案外それが真実だったのかもしれない。