外食に出かけた夜のことである。アルコールが入るため車を利用するわけにもいかず、往きはバスで帰りは散歩がてらに歩いた。途中、女房が2品ばかり買物をするというので、私はその駐車場わきのベンチに腰を下ろしていた。その時、母親に連れられた3~4歳の子供が私の前を通るときに手を振ってくれた。もちろん私も振り返した。
2人はすぐ近くに留めてあった車に乗り込んだ。子供は後部席のシートベルトに括られていたが、私の前を通るときに再び手を振った。私も同じように応えた。それを見た母親はそのまま通り過ぎるにはちょっと抵抗を感じたのかも知れない。窓を開けて、
「すいませんね。本当に!」
「いいえ! 可愛いですね。ところで、お宅にはお風呂がないのですか?」
突拍子もない質問にキョトンとしていた彼女に、ナンバーを指しながら更に続けた。
「そこにそう書いてありましたので・・・」
意味を察した彼女は、ニコッと笑い「26-71」の車を発進させた。予想もせぬ愉快な一時であった。
2人はすぐ近くに留めてあった車に乗り込んだ。子供は後部席のシートベルトに括られていたが、私の前を通るときに再び手を振った。私も同じように応えた。それを見た母親はそのまま通り過ぎるにはちょっと抵抗を感じたのかも知れない。窓を開けて、
「すいませんね。本当に!」
「いいえ! 可愛いですね。ところで、お宅にはお風呂がないのですか?」
突拍子もない質問にキョトンとしていた彼女に、ナンバーを指しながら更に続けた。
「そこにそう書いてありましたので・・・」
意味を察した彼女は、ニコッと笑い「26-71」の車を発進させた。予想もせぬ愉快な一時であった。